イスラエル、ミッチェル米中東特使の訪問に無関心
2010年01月22日付 al-Hayat 紙

■ イスラエル、ミッチェル米中東特使を迎えることに無関心。ネタニヤフ首相、ヨルダン国境での部隊展開に固執

2010年01月22日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面

【ナザレ:アスアド・ティルハミー】

 アメリカのジョージ・ミッチェル中東特使の訪問は、昨日のマスコミの見出しには掲載されず、主要な関心の対象とはならずに2面以降のページに退けられた。この傾向は、今回の訪問が今までと同様、パレスチナ・イスラエル間の連絡協議で1年以上前から生じている膠着状態の打開に貢献していないという見解で、イスラエル人がほぼ一致していることを反映している。また、和平条約締結後もイスラエルはパレスチナ国家の東部国境地帯(ヨルダン渓谷)に部隊の展開を継続すると表明し、交渉を再開できないのはパレスチナ側に責任があると主張したベンヤミン・ネタニヤフ首相の新たな声明によって、期待はさらに薄れてしまった。一方でシモン・ペレス大統領はマフムード・アッバース大統領(アブー・マーズィン)に対して、交渉のテーブルに戻ることを拒否する「火遊び」をしないようにと命令口調で警告した。そしてエフード・バラク国防相は、西岸中心部のアリエル入植地のアカデミック・センターに大学としての地位を与えることを決定した。イスラエル左派関係者はこれについて、西岸地区における入植活動を支持する「意思表示」だとの見方を示した。

 ミッチェル特使とイスラエル政府首脳との会談について、多くは伝わっていない。ハアレツ紙は、今回の訪問とパレスチナ側が交渉のテーブルに戻る可能性について、イスラエル首相官邸の関係者は期待していないと報じた。イスラエルは、西岸の入植地における建設を一時的、部分的に中断することで、交渉再開のために求められていることを実行したと考えており、パレスチナ自治政府には無条件で交渉のテーブルに戻ることが求められていると考えている。

 同紙によると、ミッチェル特使はパレスチナ側に交渉に戻るよう説得するようにアラブ諸国に対して圧力をかけるとともに、イスラエルに対しては、アッバース大統領を納得させるために別の前向きな措置を講じるよう説得を試みる。

(後略)

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( 翻訳者:青山沙枝 )
( 記事ID:18365 )