第7回アレヴィー大会はじまる―多くの団体不参加
2010年01月29日付 Radikal 紙

アレヴィー融和策のためのロードマップを決める第7回アレヴィー大会が、クズルジャハマムで開催された。しかし参加者は男性ばかり…。女性の代表者は一人もおらず、女性の大会への「融和(参加)」が課題として浮彫りになった。

第7回アレヴィー大会は、アレヴィー団体の抗議のもと始まった。アレヴィー・ベクタシ連盟(ABF)をはじめとしたアレヴィー団体は、大会への不参加を決めた。各団体は「アレヴィー派:定義づけの問題」という大会テーマゆえに、「自らに死装束を準備させようとしているようなもの(自らの首を絞めるようなもの)」であると主張し、これに抗議していることが分かった。

第7回アレヴィー大会は、アレヴィー融和策ロードマップ作成のための、クズルジャハマムで開催された。国務大臣のファルク・チェリキは、開会式の冒頭で「現行の問題は決して解決されえないというスタンスで、大事にされながら作られてきたこの(融和の)流れを、あらゆる手段で黒く塗りつぶそうとする一種の学習性無力感により、社会に希望ではなく不安や反発を生み出そうとする状況があり、私はこれを非常に危惧しています。そしてこの問題は、あのグループこのグループといった特定の集団の問題ではないのです」と語った。

大会第1日目は、アイデンティティや憲法に関わる問題とともに、法的な問題についても議論が交わされた。「憲法や法律に関わる問題」というテーマのもと、アレヴィーの礼拝施設の地位の確立や、宗務庁の組織、学校での必修科目である「宗教」の問題が話し合われた。また同時にマドゥマク・ホテルを博物館にすること、信仰指導者らが置かれている状況なども議題に上がった。

■テーマが撤回される
「アレヴィー派:定義づけの問題」というテーマは、多くの反対が寄せられ、また大会参加者たちの一部からも批判があり、撤回された。
音楽家のアリフ・サー氏は、大会の最後にどのようなロードマップの構図が現れるか、それを語るにはまだ早いとし、『ただ現状で言えることは、何も現れなかったとしても、今回のことは、何百年ものアレヴィーの歴史の中で、意味のあることである』と語った。「世界エフリベイト(預言者一族)・ワクフ」のフェルマニ・アルトゥン会長は、「なぜ行かなかったのか」といって後悔するよりも、参加することを選んだと述べた。
ラディカル紙記者のオラル・チャルシュラルは、大会に女性が一人もいなかったことを批判した。チャルシュは大会(開会式)が始まる前に、「社会の50パーセントを構成する女性の代表が送られていません。社会と同様、アレヴィーの50パーセントも女性です。それなのにこの場に女性が全くいないというのは、何か悪意があるのではと考えてしまいます」と語った。これについて、チェリキ大臣は、「もちろん女性がいらしたら、そのほうがよかったでしょうが、悪意などありません。」と答えた。

■ウスキュル:「これは基本的な権利だ」
トルコ大国民議会(TBMM)人権委員会のザフェル・ウスキュル委員長は、トルコでどれだけのアレヴィーがいようと、その数だけアレヴィーの定義があると語った。ウスキュルは、大会でアレヴィーを国家が定義づけることは間違っていると話し、「アレヴィーの問題は、基本的人権の問題です。学校での必修科目の「宗教」、マドゥマク・ホテルの件、礼拝施設の地位の確立;これらは全て人権問題なのです…」と説明した。

他方、ジェム・ワクフのイッゼッティン・ドアン会長は、大会に抗議して参加しなかったグループの代表者たちを批判し、「彼らはアレヴィーではない。彼らがトップを務めているグループの代表にすぎない」と発言した。ドアン会長は、宗務庁のアリ・バルダクオール長官がジェムエヴィを礼拝所として認めない趣旨の発言をしていることを非難し、「自分をシェイヒュルイスラーム(オスマン時代のシャリア施行の責任者)だと思っているのだろう」と話した。

■「蚊帳の外に置かれた者ら」も集まった
大会に「参加しなかった者」も昨日、記者会見を開いた。アレヴィー・ベクタシ連盟(ABF)のアリ・バルクズ会長は、記者会見で、第1回のアレヴィー大会で様々な問題提起をしたにも関わらず、政府がそれに注意を向けなかったと語った。バルクズ会長は、「トルコ大国民議会(TBMM)はこの問題に誠意をもって取り組み、党派の違いを気にせず、解決に全力を尽くすべきです。ピール・スルタン・アブダル文化協会とアレヴィー文化協会は大会に招待されませんでした。我々も招待リストに後からしぶしぶ加えられたのです。欧州アレヴィー統一連合は、全く大会に呼ばれていません。つまり、アレヴィー・ベクタシュの指導者達は、このプロセスではいないものと考えられているのです。この大会は、ジェム・ワクフと公正発展党(AKP)の間で成立した取り引きなのです」と語った。
いっぽう、平和民主党(BDP)のシェラフェッティン・ハリス議員(トゥンジェリ選出)は、TBMMで行った記者会見でこの件に触れた。ハリス氏は、AKPが始めた融和策と大会のプロセスによってアレヴィーたちをだましていると主張した。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:18369 )