国会憲法委員会委員長、「新憲法は短めに」
2010年01月30日付 Yeni Safak 紙

トルコ大国民議会憲法委員会委員長ブルハン・クズ教授は「憲法は簡潔な条文からなるべきだ。こまごまとした部分は法律にゆずり、文の始めと終わりが見渡せる程度の長さであるべきだ 。」と話した。
クズ教授はマルディン・アルトゥクル大学アタテュルク文化センターで開かれた「トルコの新しい憲法を模索する―その思想・手法・内容」というテーマのパネルディスカッションで、憲法は共生を考える上で最重要であり、この最良の例がマルディン県で見られる話した。

トルコがいまだ憲法を模索し、政治システムも完全とはいえない国家であることを残念だと語る同教授は、アメリカ合衆国に暮らす30億人は7条からなる簡潔な憲法で律されていると述べた。またクズ教授は1982年憲法がテロリズムに対応するための憲法として、ケナン・エヴレン将軍の命令によって承認させられたことに言及し次のように述べた。:

「ケナン・エヴレン将軍はこの憲法でテロの根源を断絶すると言ったはずです。しかし、いま、どういうことになっているかを考えてみてください、今、どうなっているか。憲法改正要求の度に軍人や官僚らが「なにするんだ!」と声を上げます。しかし「なにするんだ!」と申し上げたい。新憲法のためには緊迫した状況が必要であることがはっきりしています。例えば、トルコ共和国は歴史を通じてその精力と時間の60パーセントあまりを、戒厳令下で費やしてきました。ちょっとおちついた状況になったと思うと、必ず、何かがおこる。そのために憲法は簡潔な条文であるべきなのです。こまごまとした部分は法律にゆだね、文の始めと終わりが見渡せる程度の長さであるべきだ。1982年憲法はこのような特徴をもっていません。」

各野党へマルディンから呼びかけたいと話すクズ教授は「ここでみなさんに呼びかけます。さぁ、ここへ来て我々とともに討議しましょう。そして新憲法を準備しようではありませんか。もしいらっしゃらないのならば、私はここで市民の皆さんに、あなた方の悪口をいうことになります。」と話した。

またビルケント大学教授であるエルグン・オズブドゥン教授もトルコには、厳しい憲法問題が存在しており、この問題が1982憲法に起因していると語った。

今日までに16度の憲法改の試みがあったが、それらはすべて憲法裁判によって却下されてきたと説明するオズブドゥン教授は、2007年以降準備されてきた事前の草案が、不平等で不当な形で批判されてきた、と述べた。

同教授は次のように話した。
「閉じられた扉の向こう側で準備され、公正発展党の文章だ」などと言われています。そのどれも適切ではありません。草案は、様々な局面を経てトルコ大国民議会総会へ、さらにその後国民投票で国民に是非が問われるのです。憲法改正のプロセスは不透明ではありません。多少の困難やリスクを負うとしても政治的意思でこれを実現させることは可能です。国会議員法、オンブスマン法、さらに、政党法で行なわれる改正でトルコの民主主義の未来を開くことができるのです。」

アトゥルム大学で教鞭をとるレヴェント・キョケル教授は、憲法をつくるのは社会であり、憲法改正には国民の同意を必要とするとのべ、部分的な憲法改正ではなく、まったく新しい憲法がトルコの民主主義の発展と将来という観点でより重要になるだろうと述べた。

公正発展党のマルディン選出のジュネイト・ユクセル議員も、より近代的な価値観を反映し、トルコの未来を閉ざしてしまわないもので、各組織間のバランスを保ち、条文自体にも問題のない憲法がトルコに捧げられる必要性を述べた。

ふたつのセッションという形式で行われたパネル討論では、憲法改正問題、新憲法作成における手法の問題、憲法作成プロセスにおける(その時点での)政権などのテーマが議論された。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:18375 )