6月にICパスポート導入
2010年03月07日付 Hurriyet 紙

7年もの間議題とされてきた「ICチップ付き」パスポートのプロジェクトが、ついに6月から導入される。新しいパスポートでは個人に関する情報が「ICチップ」に書き込まれる。生体認証のパスポートがICチップ付きであることは、パスポートのカバー下にある「ICチップ」のマークで見分けがつくようになる。濃紺色から赤褐色と変わるパスポートの有効期間は10年となる。

欧州連合(EU)がトルコ共和国市民に対してビザの簡略化を認可するために、最も重要な条件の一つである「生体認証パスポート」の制作(準備)が完了した。警察庁は、EUスタンダードにおける新パスポートのために2007年に国際的な競売を行い、交渉を経て1050万リラの付値により入札したトルコ・マレーシアの共同制作という形でクント・エレクトロニクスとアイリステクノロジーの両者と契約した。(しかし)デジタル写真をパスポートに標準通りに収められなかったことや、光学装置がICチップパスポートを規定に沿って読み取れなかったために、2009年9月11日に(この共同制作は)中止された。

■ 造幣局にて印刷される

入札が中止されると、マレーシアで行われると公表されていたパスポートの印刷は造幣局にて行われることが決定された。造幣局にて何百万冊も印刷されるパスポートの最初の試作品が外務省に届いた。外務省、内務省そして財務省の共同調査の結果、用意された生体認証パスポートは機械で読み取ることが可能であり、高い安全性と国際民間航空機関(ICAO)基準やEUスタンダードの適合範囲であることが確認された。パスポートのサイズや色、カバーもEUスタンダード適合である。個人に関するすべての情報は、新しいパスポートの中にあるICチップに書き込まれる。

■ コストは500万リラ

新パスポートにかかるコストは500万リラ前後であることが予想される。本来ならば、シカゴ条約によるとトルコは2010年4月には生体認証パスポートに移行する必要性があった。パスポートに必要なICチップは、フランスのジェムアルト社によって製作されると見られている。ICチップの入手のために、ナジ・コル外務事務次官補はフランスに赴く予定である。生体認証パスポートがICチップ付きであることは、パスポートのカバー下にある「ICチップ」のマークで見分けられる。(また新たな)パスポートでは写真も生体認証の特徴をもつこととなる。白地にある生体認証写真では、顔が正面から耳まではっきりと見える。

■ 濃紺色から赤褐色となる

写真の横または下部には、国境税関にある光学読取装置でのみ見ることが可能な形でパスポート所有者の名前も記入される。新パスポート(の導入)とともに「(今までの)濃紺色のパスポート」は廃止される。他のEU諸国と同様に個人の通常パスポートの色は赤褐色となり、カバーも革製となる。

■ 外交パスポートは黒色となる

外交パスポートの色も今回から赤ではなくEU(諸国)同様に黒となる。外交パスポートは、外務省に設置される局で準備され、所有者に届けられる。緑やグレーといったパスポートの色は変わらず、これらのパスポートも生体認証の特徴を有することとなる。

■ 価格はまだ明らかにされていない

有効期間が10年となる(新)パスポートは、一つの取り扱い機関より配布される。県庁で行われる申請の際には、左右の手の人差し指から光学読取装置で指紋が採取される。造幣局から届けられる新パスポートは、申請から約1ヶ月後に手元に届く。国外からの申請も同様に造幣局に集められる。今後は国外にパスポートを製作する別の場所の設置が計画されている。6月からの配布が計画される(新)パスポートの価格は今後明らかにされる予定である。(現在)手元にまだ有効な「濃紺色のパスポート」がある人々も、生体認証パスポートの申請を行うことができる。この申請にあたっては、濃紺色パスポートの有効期間に対して支払われた代金が(新パスポートの)10年間分の価格から差し引かれる。

■ 100以上の国で使用されている

ICチップ付き生体認証パスポートは、100以上の国で使われている。トルコにおいては、ICチップパスポートはまず2003年に議題に上った。生体認証パスポートのために競売が行われることは2004年に公表され、2007年には新たなパスポートが告知された。競売ではトルコとマレーシアの会社が共同で落札した。(しかし)その会社が2008年に(新パスポート製作に関する)仕事を満了させることができないことを表明し計画を頓挫させたことから、パスポート委員会の申し出により警察庁は競売を2009年9月11日に中止した。その後トルコも加盟している国際民間航空機関(ICAO)の決定により 2010年4月1日にはICチップパスポートに移行することが伝えられた。結果的にプロジェクトは2010年6月まで延期した。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:18630 )