スウェーデンで超党派の国会議員たちが準備した、1915年の事件に関するアルメニア(虐殺)の主張が含まれた決議は、スウェーデン議会において1票差で可決された。
スウェーデン議会外交委員会において、3月2日に話し合われ、委員会メンバーが否決の決定をした決議は、討議のため、今日、国会へと持ち込まれた。
野党の左派政党、すなわち、社会民主党と左翼党、環境党が支持した決議に関して、AA通信に会見を行なった在ストックホルム・トルコ大使ゼルギュン・コルチュルクは「この決議は、スウェーデン議会において、超党派の国会議員によって2008年に準備されたものである。国会内の規則によると、次の選挙の前に、国会に提出されている全ての法案と提案が国会にあげられ、話し合われる。この法案も2008年から今回まで留め置かれてい提案だ。」と述べた。
■大使が召還された
スウェーデン議会においてアルメニア法案が可決されたことに続き、3月17日に実現されるとされていたトルコ-スウェーデンサミットとレジェプ・タイイプ・エルドアン首相のスウェーデン訪問がキャンセルとなった。
大統領府広報センターを通じて発表された、本件に関する「政府会見」は以下のようである:
「スウェーデン議会においてオスマン帝国の終期に一部の人々に対し虐殺がなされたという主張に関する決議が可決されたことはまことに遺憾である。我々は決定に対し厳しく抗議する。根拠のない、大きな間違にもとづくこの決定を、トルコ国民とトルコ政府は拒否する。
この決定がスウェーデンで2010年9月に行なわれる選挙に向けての政治的計算から行われたことは明らかである。スウェーデン国内の政治的計算から承認されたこの決議は、トルコ-スウェーデンの関係と両国民間の理解やパートナーシップにふさわしいものではない。
歴史に真摯に向かい合おうと呼びかけているのはトルコである。歴史に対面することから逃げている人々は、主張を相互に検討し、真実を学問的な方法で明らかにすることを恐れている。これを恐れているものたちは、わずかな政治的利益を欲する外国の議会を利用し、また、彼らによって利用されている。オスマン帝国の終期に関する主張がスウェーデン議会の議題にのぼったとは、このような相互の利用のループの結果である。
議会と政治家たちの役割は、歴史について裁断をすることではなく、歴史から学び、未来を創造することである。歴史の真実と、トルコが自身の歴史に関しての見解を、外国議会が政治的な計算から行った決定によって変えると思っているものは、敗北を喫する。
2010年3月17日に予定されていたトルコ-スウェーデンの首脳会談とトルコ首相のスウェーデン訪問はキャンセルされた。また、在ストックホルム大使は、協議のため、アンカラに召還された。」
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( 翻訳者:近岡由紀 )
( 記事ID:18672 )