オスマン期からの遺産の権利を主張して1000名が集合
2010年03月14日付 Radikal 紙

1億トルコリラ(TL)(約60億円)に相当する土地の遺産相続権を主張し、およそ1000人もの人々が集まり会議を開いた。

ムーラ県ボドゥルム郡にあるギュヴェルジンリク村で、ハジュ・ヒュセイン・アーが200年前に遺したと見られている1億TLに相当する、32万平方メートルの土地の相続権を主張し、約1000人が集まり会議を開いた。イズミル、イスタンブル、エスキシェヒル、アンカラそしてドイツから、ボドゥルムのムムジュラル区に人々に対し不動産仲介会社社長のトゥンジェル・ルファト・バルン氏は、「約200年前の遺産の相続人は270人程でした。しかしながらその人たちの子孫が加わり、遺産相続者の数は1000人を超えました。私たちはその中の400人と裁判を起こすよう契約を結びました。土地の価値は今日の1億TL以上になります。委任状を急いで収集すれば、20ヶ月で土地の権利証か地代を相続者たちに支払うことができるでしょう」と話した。

ムムジュラル市設の結婚式場で開かれた今回の会議は、ボドゥルムのギュヴェルジンリク村で200年前のオスマン時代に生きたハジュ・ヒュセイン・アーからおよそ1億TLに相当する、32万平方メートルの土地が自身たちに遺されたと主張する人々にとって、2度目の集まりとなった。コジャエリ・ゲブゼから訪れたバルン不動産仲介会社社長のトゥンジェル・ルファト・バルン氏が開いたこの会議には、イズミル、イスタンブル、アンカラ、エスキシェヒル、ボル、ブルサ、アイドゥン、デニズリ、イギリスそしてドイツから訪れた約1000名に上る人々が参加した。ハジュ・ヒュセイン・アーが遺した土地を示す地図が壁に張られた本会議では、遺産相続者リストをめぐる混乱が起きた。会議に参加した人々のうち、決して少なくない数の人が遺産相続者リストに自身の名前を見つけられなかったのである。一方、名前が載っていた人々は(相続権を確かなものとするために)、互いに争ってバルン氏に委任状を手渡そうとした。委任状の提出とバルン氏と契約を行おうとする人々の間で混雑が起きた。

ボドルム出身の元警察官、ヒュセイン・オズベキ(68)は、ハジュ・ヒュセイン・アーの末裔にあたるといい、「私にも相続権があるといわれてここに来ましたが、地券、地籍簿あるいは地図に自分の名前を見つけることはできませんでした。夢物語だったのかもしれませんが、億千万リラといわれる遺産相続の場でこのような夢を見ることさえ素晴らしいことです」と語った。

エスキシェヒルから来訪し、会議に参加したという元教師のアイヌル・カッレムさん(58歳)は、親戚のおかげでハジュ・ヒュセイン・アーから遺産が相続されると知り、自身の手元には何の書類もないと話し、「今、不動産仲介業社から、遺産を手に入れることができると聞きました。そのため、バルンさんと契約を交わしました。その契約によれば、バルンさんは私たちから仲介料を取りませんが、彼が裁判に勝てば、私たちが権利を握っている土地の40パーセント分を渡すことになります」と説明した。

不動産仲介業者であるトゥンジェル・ルファト・バルン氏はドアン通信社の記者が行った質問に答えながら、ギュヴェルジンリク村の全てがハジュ・ヒュセイン・アーと遺産相続者のものになることを明らかにした。バルン氏は会議に参加した1000人近い遺産相続者が委任状の届けと自身との契約を交わすことを認めたとし以下のように語った:
「400人と契約を結びました。ハジュ・ヒュセイン・アーには3人の妻との間に合計で11人の子供がいたと考えられています。この子供たちのうち4人が独身のまま亡くなったことがわかっています。私たちはアーの孫のうち40人を見つけました。見つかっていない4人の孫の名前については非公開にしています。現在、その見つかっていない孫たちである相続者を探しています。よって、彼らを見つけるために明日16日から15日間の待機期間に入ります。『私たちも相続者だ』と主張する人たちは、自らの被相続人の戸籍記録によって自身の相続権を証明することにより、相続権者リストに名前を加えることができます。約200年前の遺産の相続人は270人程でした。しかしながらその人たちの子孫が加わり、遺産相続者の数は1000人を超えました。私たちはその中の400人と裁判を開くよう契約を結びました。土地の価値は今日の1億TL以上になります。委任状を急いで収集すれば、20ヶ月で土地の権利証か地代を相続者たちに支払うことができるでしょう」

バルン氏は、ハジュ・ヒュセイン・アーがボドゥルムにあるサズキョイの境に位置する12万平方メートルの土地を所有していたことも明らかにしたと伝え、「この土地では建築物や(何者かによる)占有行為はありません。私たちはこの土地に関しても裁判を起こす予定です。また、遺産相続者たちの要望により、ボドゥルムに程近い場所に会社の支部を設立することに決めました」と話した。
ギュヴェルジンリク村で、現在に至るまで3期にわたり村長を務めているメフメト・ゲレメ氏はこの騒動について以下のようなコメントをした:

「ギュヴェルジンリク村がある有力者の土地であることを、今日まで聞いたことがありませんでした。聞いたことが無かったように、このことに関して研究や調査を行っている人や権利を主張する人に会ったこともありませんでした。私たちの村は今現在100近い観光施設、50の会社、1000人以上の住民を抱えています。冬には5千人、夏の間では1万5千人が生活をしています。この問題について地元の不動産業者や年配の人たちと話をしましたが、この問題で彼らが知っていることや関連する書類はありませんでした。ギュヴェルジンリク村では何十年もの間、不動産売買は公証や証券によって行われています。昨年から市によって居住証明書が付与され、市民が地券を得るようになりました。これまでの所、地券や不動産に関し違法な行為はありませんでした。ここの住民たちは占有(支配)地に住んでいるのではありません。なぜなら、彼らはあらゆる種類の税金を支払っているのですから。騒動を起こしている一部の人が不動産収入や夢を追っているのでしょう」

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( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:18692 )