米による対イラン・インターネット戦争のネットワーク構成員30名が逮捕
2010年03月14日付 Iran 紙

【政治部】テヘラン一般革命検察庁広報部は声明を発表し、アメリカによるサイバー戦争を我が国で実行していた複数の組織的ネットワークが壊滅したことを明らかにした。

 テヘラン一般革命検察庁広報部が発表した声明は、以下の通り。
親愛かつ高貴なるイラン人民にお知らせする。至高なる神のご加護と、我が国の冒すべからざる安全を守る防衛隊員、ならびに勇敢なるあなた方国民の革命的な子供たちによる昼夜を問わぬ無休の努力により、反革命集団によって立ち上げられたアメリカ・サイバー戦争の最重要組織的ネットワークに通じた一部有力分子が、情報・通信技術分野における一連の対策と複雑な治安作戦の結果、特定され、うち30名が逮捕された。

西暦2006年、CIAによって立案され、米議会によって4億ドルの予算が割り当てられ、ブッシュの命により発布・作戦配備された「イラン不安定化」計画の結果、米政府は「サイバー戦争」と呼ばれる新種の「情報戦争」を開始した。これは偽善者〔=モジャーヘディーネ・ハルグ(MKO)のこと〕や王党派などの反革命集団の構成員らを利用することで、アメリカが〔かねてより〕関心を抱いてきた〔戦争の形態であった〕。

最重要政策の一つとして、「イラン・プロキシー」と呼ばれるネットワークが立ち上げられたのも、こうした背景による。同年、総額5千万ドルの予算により、米国務省IBB事務所〔=International Broadcasting Bureau国際報道局〕のもと、CIAの手によってこのネットワークはその活動を開始した。

「イラン・プロキシー」は、・我が国の情報バンクから情報を盗み取ること、・イランのインターネット・サイトに侵入して破壊活動を行うこと、・国内フィルタリングに戦いを挑むこと、・イスラーム共和国に敵対する仮想ネットワークのユーザらに安全を提供すること、・〔アメリカが運営するペルシア語ラジオ放送局の〕ラジオ・ファルダーやテレビ局ヴォイス・オブ・アメリカ(VOA)、その他西洋メディアとの〔視聴者参加番組での〕インタビューに際して、電話・データ上の通信セキュリティを提供すること、などをその任務としてきた。

CIAはこうしたサイバー上のサービスによって、最近の混乱〔=2009年イラン大統領選挙以降〕だけでも、7千万もの「フィルタリング回避〔ソフト〕」を提供・配布し、イスラーム共和国に対して大規模な心理戦争を組織してきた。こうしたネットワークから月にかなりの額の報酬を得ていた国内分子は、特定・逮捕後、次のように告白している。すなわち、「イラン・プロキシー」というネットワークのフィルタリング回避ソフトには、個人や家族の情報を盗み取る能力が備わっており、遺憾ながら、スパイ目的で大規模に利用されているというのである。

アメリカはまた、「人権活動家」と称する偽善者どものために、偽りのネットワークを立ち上げている。このネットワークは最初、1384年〔西暦2005年〕に、「サーデグ・ナッガーシュカール」及び「ベフルーズ・ジャーヴィード=テフラーニー」という名のこのグループ〔=MKO〕の構成員二名(彼らは、1378年ティール月18日の事件〔改革紙に発禁処分が下されたことに抗議して、1999年7月9日に学生らが抗議行動を起こした事件〕で逮捕された分子の一部だ)によって設立されたもので、「ケイヴァーン・ラフィーイー」、「ジャマール・ホセイニー」、及び「アフマド・バーテビー」といった名前の、同グループに属する正体不明のメンバーに、〔その後〕その運営は委ねられた。

1378年、上記の者たちは一部の反革命集団の協力でイランから逃亡、このネットワークの基地をアメリカやその他一部の西洋諸国、さらには〔イランの〕某隣国で立ち上げた。爾来、彼らは仮想空間を通じて、全国でメンバー獲得に動いており、某学生組織をターゲットにして、「S・H」や「M・P」といった分子をこの組織から引き抜いている。

同時に、同ネットワークの活動を円滑化させ、拡大させることを目的に、ヨーロッパの一部諸国は偽善者集団〔=MKO〕を〔EUの〕テロ指定リストから除外するという協調的行動に出た。

このネットワークのメンバーの中には、逸脱集団の信奉者もおり、インターネットを通じて人々を引きつけた上で、教育のために彼らをイラクにある偽善者たちの基地〔=アシュラフ基地〕や、その他意中の国々に送り込んでいる。

同ネットワークはまた、最近の内乱騒ぎの後、事実に反する偽りの情報を広めて、仮想空間での大規模なネットワーク作りに着手することで、インターネット・ユーザらを自らの影響下に置こうと試みてきた。また、「弁護士会」や「HRANA通信〔=Human Rights Activists News Agency〕」なども〔イラン・プロキシーと〕関連のある集団の一つである。彼らの最近の行動としては、ヨーロッパの一部諸国の支援のもと、同ネットワークの構成員たちをジュネーヴで開かれた自称NGO会議に参加させ、5プラス1会合〔国連常任理事国にドイツを加えた六カ国による、イランの核問題を話し合うための集まり〕を直前に控えた時期に虚偽の情報を提供させ、イスラーム共和国に敵対的な心理的雰囲気を醸し出そうとしたことが挙げられる。

このネットワークは、自らの抱える一部のエージェントを通じて、アメリカ支配層の最上層部とも広範な繋がりを構築しており、アメリカの政府関係者から支援を受けている。

このネットワークの幹部らは、アメリカをはじめとする一部西洋諸国を通じて、自らの目的を〔イラン〕社会の中間層・活動的な人々の間に浸透させている。残念ながら、彼らはイラン人ユーザらを勧誘・悪用し、会員として彼らを利用してきた。

同ネットワークの国内の主要分子たちは逮捕された。またアメリカに暮らす国外分子たちについては、事後的な措置を求めるべく、国際警察(インターポール)に事の次第をすでに伝えてある。

組織的な反イラン・ネットワークのこれまでの所業

1.スパイ情報の収集、特に我が国の核の専門家たちを特定するための情報網の確立

2.アメリカやカナダ、ドイツ、フランス、トルコなど国外に住むイラン人たちを特定・勧誘・組織化する行為

3.イスラーム共和国体制や宗教的神聖性に敵対的な流れを作り、心理戦争を仕掛けることを目的として、〔虚偽の〕レポートを作成し、それを海外メディアや人権団体・組織に送りつける行為

4.選挙後に違法集会を開き、暴動に参加するよう唆す行為

5.例えば選挙後に72名が死亡したとか、殉教者の子供だとされるサイーデ・プールアーガーイーが〔選挙後の暴動の中で治安機関に〕逮捕され殺害されたとかいった、事実とは異なる情報を流したこと

6 リーギーや王制協会などのテロ組織を、報道・メディアとしての側面から支持したこと

7.複数の容疑者や問題のある人物を、反革命集団を通じて違法に国外に逃亡させたこと

8.ハッカー行為などの嫌がらせを行い、政府のサーバーなどに侵入するなどして、違法に機密情報にアクセスし、スパイ機関に送ったり、自らの情報バンクの強化を図ったりしたこと

9.市民の不満を煽るべく、市の行政システムや、〔ゴミの〕焼却システムなどの行政サービス網に混乱を生じさせる計画を立てたこと

10.〔テロ組織が?〕イスラーム共和国体制に対して武装行動を起こすにあたり、治安上の支援〔体制〕を築いたこと

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:18772 )