トゥルクセル盗聴汚染広まる―サッカー解説ルドゥヴァン、逮捕
2010年04月06日付 Radikal 紙

サッカー解説者で、元スター選手のルドゥヴァン・ディルメン氏が、昨日朝(6日)、突然警察に拘束されたことによってはじまった強制捜査は、近年のトルコでは最大規模の盗聴スキャンダルへと発展した。強制捜査は昨日一日中つづき、24人が拘束された。拘束された人のなかには、ルドゥヴァン・ディルメン氏のほか、トォルクセル社の重役3人、実業家多数と警官も含まれる。

* 警察の主張によると、強制捜査の対象となった「盗聴マフィア」は、警備会社を装い、違法な盗聴を行っていた。

* 同社は、依頼人や組織の要請をうけ、多数の電話の盗聴を行っていた。盗聴被害者のなかには、実業家や、さまざまな分野の著名人が含まれる、という。

* 違法な盗聴を行っていた会社の価格表によると、盗聴への謝金は1か月間で3~5千ドル、3~6ヶ月間の盗聴の場合には、5千ドルから1万51千ドルとなる。同社は、企業機密を目的とする盗聴の場合には、さらに追加料金をとっていた、という。

* 強制捜査の結果、トルコの主要なGSM2社の名も取りざたされている。警察の主張によると、1社のCEOが、ライバル会社の重役の電話の盗聴を依頼していたという。

* 強制捜査で逮捕された有名サッカー選手のルドゥヴァン・ディルメン氏は、同じく元スター選手のタンジュ・チョラク氏の電話を盗聴させていたという。ディルメン氏とともに24人が逮捕されたが、ヒュセイン・チャプクン県警察本部長によると、逮捕者の数は増える可能性があるという。

■タンジュ・チョラク氏「自分は被害者」

元スター選手のタンジュ・チョラク氏は昨日朝、イスタンブルのヴァタン通りにあるイスタンブル県警察署に出向いた。チョラク氏は、なぜ警察に?という記者団の問いに対しては、「面会のため」と答えた。その後、組織犯罪対策本部局のある3階へと向かった。

チョラク氏は警察署を後にするとき、どうして警察にきたのかをより詳しく話した。それにより、その後、大騒ぎとなる強制捜査のことが記者団の知るところとなった。チョラク氏は、「朝8時半に警察から電話がかかってきた。警察にきて、証言をした。だれかが私の電話を盗聴したらしい。被害者としてきたのだ。守秘義務があるので、なにもいえない。残念なことだ。ルドゥヴァンはつかまっているらしい。これは、サッカー八百長問題とは関係がない。ルドゥヴァンを訴えるつもりはない。ここに来た時には、ルドゥヴァンのことは知らなかった。

(中略)

■トゥルクセル社で捜査

強制捜査により、盗聴を請け負っていた会社で通話記録と留守電記録が押収された。容疑者らは2年来、尾行され、また警察によって盗聴されたいたという。夕刻には、トゥルクセル社の本社とマルテペにある支社で警察による捜査が行われた。トゥルクセル社は昨晩、次のような発表を行った。
「警察の関係者により、わが社の何人かの社員に関し事情聴取が始められた。警察から得た情報によると、本件はわが社とは無関係であることが明らかになっている。しかし、上記の人々に関し、職場においても情報を収集する必要があったため、わが社で捜査が行われた。予備捜査は秘密裏に行われているため、わが社には現時点では、報告はされたいない。」

■ルドゥヴァンは、仲介人

タンジュ・チョラク氏が証言をした直後に、ルドゥヴァン・ディルメンが盗聴マフィア問題で逮捕されたことが発表された。逮捕容疑は、ルドゥヴァン・ディルメンが、スポーツレポーターのガールフレンドの求めに応じ、タンジュ・チョラク氏を盗聴させるように仲介した、というものである。

■ルドゥヴァンの弁護士談「ルドゥヴァンは、悪い友達の犠牲に」

弁護士のセルダル・オルメズ氏は、違法な盗聴に関する捜査の一環で逮捕された元トルコ代表選手のルドゥヴァン・ディルメンも、一種の犠牲者である、と述べた。オルメズ氏は、「依頼人(ルドゥヴァン・ディルメン)は、よくない連中とつきあったため、こんなことになった。悪い連中とつきあったことの犠牲者だ。だれかを盗聴させる、といったことはやっていない。」

弁護士のセルダル・オルメズ氏は、イスタンブル警察署の出口で記者団に対し次のように説明した。それによると、捜査書類上には、ルドゥヴァン・ディルメンに関し、いかなる盗聴の事実も存在していない、という。「タンジュに対してだけでなく、誰に対しても盗聴の事実はない。だれかが彼を利用しようとしているのであり、よくわからないままに利用されたいったい彼は犠牲者だ。彼自身がわかって何かをしたわけではない。依頼人は、良くない連中とつきった結果だ。悪い連中とつきあったことの犠牲者だ。だれかを盗聴させる、といったことはやっていない。ディルメン氏は落ち込んではいるが、もともと悪意はないのだから、毅然としている」と語った。

一方、実業家のE.G.は、検察の指示で釈放された。E.G.は本日中に検察で証言するとみられている。

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:18834 )