ドイツで独自のイマーム養成コース誕生か
2010年04月09日付 Yeni Safak 紙

ドイツで発売前から話題を集めている書籍『イスラームの説教師たち』の筆者であり、オスナブリュク大学イスラーム宗教教育学科・宗教学教授のラルフ・ジェイラン氏は、今後神学部が新設されることで、より自覚的なイマームたちを養成できると語った。

オスナブリュク大学イスラーム宗教教育学科・宗教学教授のラルフ・ジェイラン氏が執筆し、出版前から大きな議論を巻き起こしている著作『Prediger des Isram'(イスラームの説教者たち)』が明日(4月10日)発売される。この著作でドイツでのイマームたちのプロフィールを綴ったジェイラン教授は、勤務先の大学でイマームを養成するための準備が整いつつあると語った。彼はドイツでは礼拝所(モスク)が、トルコとは異なり、様々な機能を果たしているとし、「ドイツのムスリムは、結婚や教育のような問題もイマームに相談しに来ます。イマームは(様々な問題の)素晴らしい架け橋としての役割も引き受けているのです。ですからイマームというのは質の高い教育が必要なのです」と話した。

■2000人を越えるイマームがいる
ジェイラン教授によると、ドイツでは2500近いイスラーム組織があり、2000人を越えるイマームがいる。このイマーム達の70パーセントがトルコ系であり、宗務庁を介してドイツに来たのだという。しかしこのイマーム達の最も大きな問題は、特に言葉の問題だと強調するジェイラン教授は、「言葉の問題によって、イマームたちが現在の社会構造を理解し、その役割を果たすまでに時間がかかってしまうのです。このためオスナブリュク大学は、2010年中に教育プログラムを始動させます。この教育プログラムでは、ドイツ語や社会学、宗教教育の授業があります。2012年以降は神学研究所が設立される予定です」と語った。

■修学年数は4年
ジェイラン教授は、現在この研究所のため2名の教授を確保しており、さらにあと5つの講座が開設予定であると説明した。イマームや神学者になることを希望する誰もが大学を受験できると強調するジェイラン教授は、教育内容の詳細について、次のように語った。「より質の高いイマームを養成するために、少なくとも4年は教育が必要です。その後、修士、博士の学位をとることもできます。そうした教育を受けたイマームたちは、将来ムスリムの神学者を育てるでしょう。授業内容は、ムスリムたちと対話していく中でより発展していくと思います。しばらくはトルコの大学の神学部に協力してもらうことになるでしょう」。ジェイラン教授は、著作の中で明らかにしているように、新サラフィーヤ派のイマームたちが宗教的倫理観やその本質を、モスクで教育を受けずに歪めて行っているが、大卒のイマーム達によってこうした事態も防ぐことができると説明した。

■女性にも呼びかけたい
宗教関係者あるいは神学者になるのに、性別は関係ないと語るジェイラン教授は、国内の女性の宗教関係者数が5パーセントであることを強調した。教授は、「教育レベルの高い女性たちから構成される社会は、より発展しています。このことは宗教に関しても言えます。女性達は宗教的分野において重要な存在になってきています。彼女達にも呼びかけたいです」とコメントした。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:18857 )