社会保険(年金)の受給者、900万人―年金納入者より受給者の方が多い県も
2010年04月10日付 Zaman 紙

例年なんとか持ちこたえている社会保険(年金)の問題点を端的に示す数値が明らかとなった。トルコでは社会保険(年金)の掛け金を納入する人より、受給する人のほうが多い県の数が増えているのが分かった。

ゾングルダク県には14万3000人の納入者に対し14万2000人の社会保険受給者がいる。バルトゥン県には4万1000人の社会保険受給者に対し、保険金納入者はわずか3万5000人しかいない。また西黒海の町であるカラビュクは4万4000人の納入者に対し4万7000人の受給者がいる。
ヨーロッパで若者人口が最も多いトルコで、政府から社会保険の受給を受けている人数が900万人を超えているが、この数値は100以上の国々での(受給者)数をしのいでいる。社会保障機構は受給者に対し1年間で600億トルコリラ(約3兆7200万円)以上の受給金を支払っている。増加によって。2015年までには受給者は1000万人を超えるとされている。
トルコは、人口の25%が15歳以下、また93%が64歳以下であるにも関わらず、就労人口あたりの社会保険受給者の割合がOECD国内では最悪な状況となっている。若者人口が増加していたことで、スレイマン・デミレル政権期に作り出された38から40歳での早期退職制度が、就労者(納入者)と受給者のバランスを壊したのだ。世界では受給者に受給金を払うため、1人の受給者を4人の就労者が支えることが一般的とされている。しかし、トルコでは1人あたりの受給者に対し年金納入者はわずか1.82人にとどまっている。就労者(納入者)と受給者のバランスが将来これ以上崩れることを防ぐ為に作りだされた65歳退職制度が、30年後に良い効果を与えることになるとしている。短期もしくは中期間での解決としては、記録漏れの雇用を防止することや失業者を減らすことが考えられている。

受給者を支えているのはアンカラやイスタンブル

イスタンブルは最大の就労者を抱える県である。イスタンブルはトルコで最も人口が多く、3,570,468人の就労者が年金を納入している。そして1,783,735人が年金を毎月受給している。公務員の町として知られるアンカラでも1,373,887人の就労者がおり、彼らのうち849,000人が社会保険機構(SSK)の保険に加入している一方、345,000人は公務員である。首都に生活する年金受給者は745,764人となっている。

沿岸部の都市では年金生活者が増えるのではと予想されているが、かつては就労者の町であったのが今や年金受給者ばかりの町となっている状況である。バルトゥン、シノップ、カラビュク、ゾングルダクといった県では社会保険受給者の数が就労者の数を上回っているのが現状だ。トルコ年金受給者協会のカズム・エルギュン代表は現在の状況を次のように語った。「労働者の町であったゾングルダクが、今では年金受給者の町となってしまった。ゾングルダクには142,000人の労働者、140,000人の受給者がいる。県人口の内、受給者の割合が22.1%であり、トルコで一番高い」

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( 翻訳者:熊谷沙織 )
( 記事ID:18865 )