エルドアン首相、共和民主党の憲法改正案対応を批判
2010年04月18日付 Zaman 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は憲法改正の件に関連して、「今後行われるべきことは、議会において本当の意味で、誠実かつ偽りのない態度で、その投票に参加することだ」と述べた。

エルドアン首相はATVでの生放送において、記者たちの質問に答えた。

首相は以下のような質問を受けた。「ビュレント・アルンチ国務大臣兼副首相の次のような発言がありました。『もし共和人民党(CHP)が憲法裁判所にこの件を持ち込まない保障が与えられたとしたら、歩み寄りへの門が開かれることとなるだろう』と。CHPとの歩み寄りが全く不可能になったようにみえていたまさにちょうどその時に、ビュレント氏のこの発表によって、本当に(歩み寄りの)門は開かれるのでしょうか?CHPがほんとうに憲法裁判所にもちこまない、という態度をとれば、ということですが。」

この質問に対し、首相は以下のように答えた。「この件については次のように申し上げるのが適当でしょう。。憲法改正を議論し始めた際、ちょっと思い出していただくと、われわれは暫定第15条の問題から取り組み始めました。なぜなら、(CHP)党首は『暫定第15条についてだけ、国会での投票対象としなさい。それ以外については、決して議論するつもりはない。』と言っていたからです。(憲法改正の)プロセスはこのように始まりました。その後「3つの条項」という別件が議題に上り、さらにわれわれにあるCHP側から一通の文書が届きました。この届いた文書は、3つの主要テーマについて、というものでした。しかし、見出しは3つですが、ご存じのように、11項、さらに3の暫定条項に関する提案を含んでいます。私はこれを『東方の策略』と表しました。

アメリカ合衆国訪問に旅立つとき、これについて次のようにいいました・・あのときは委員会においても、まだ何も議論が始められていない段階でしたが。『もし本気なのであれば、会派副代表を交渉の任にあたらせよう』と。『会派副代表が集まり、この件について検討するように命じよう。もし法的根拠があるのならば、対応しよう』と。しかし、その後、川の水はどんどん流れ、こんな話は流れ去ってしまいました。ご承知のように、2、3日前にCHPは、このような新しい提案を持ち出してきました。ある面からみると3項目といい、ある面からは「主要論点」といい、つまり、誰がなにをいいたいのか、はっきりしない。会派副代表たちはそれぞれ違うことをいい、党首はまた、別のことをいっている。」

■ 「・・・他の発言を私はあまり重要視していません」

「資料をもってきました、間違ったことをいわないようにと」と述べるエルドアン首相は、持参した書類を引用しつつ、以下のように発言を続けた。

「今われわれはこの書類にある数字を信じるのか、それとも党首の発言を信じるべきなのか。やってきたのは、会派副代表や副党首たちで、そうした人たちがやってきて、そしてここで言った言葉は、まさに以下のものです。『この提案が世論に公表される前後で、CHPが保留を表明した次の項目、すなわち、政党が従わなくてはならない基本理念とそれに関連する条項、裁判官・検察官高等委員会(HSYK)や憲法裁判所の構造、構成員、監査、任務そして権限、また職務や審査方法、判決の方法についての条項。それらに関連する、(すなわち、上記の)3つの主要問題関連条項を提案から引き離し、他の条項だけを憲法改正の提起として検討すべきである。』現実はこれで、私はこれ以外の発言を重要視してはいません。ここから出発したとき、3条項などといった問題ではありません。これは11個の条項を包含しており、これに暫定条項も加えた場合14個の条項が含まれることとなります。今われわれはこんな状態でどれに信頼を置くのか。すでに憲法(改正案)は委員会を通過してしまっています。ことここに及んでは、こうした行為は、もはや単なる水をさすことだけを目的としたものであり、「東洋的策略」にほかなりません。もやは逆もどりはありえません 。」

「今後なされるべきことは 、議会において本当の意味で、誠実さと偽りのない態度で、この投票に参加することです。そもそも『国民投票に付そう』と彼らもいっているわけですから、国民投票に付すかどうかは手短かに、共和国大統領殿にお任せしましょう。そもそも始まりからずっとバイカル党首のアプローチは、大統領を直接、この問題に巻き込もう、というものでした。しかれども、この取り組みの対話者は立法組織の長、つまり議長であり、大統領ではないのです。この議案が持ち込まれるべき場所は議長のもとであるにもかかわらず、議長には持ち込まず、そして大統領に呼びかけているのです。大統領をここで見方に引き入れる努力に彼らはしました。しかしながら後にわれわれも、これに対処しました。『この問題の交渉相手は大統領ではなく、議長である』と彼らが言ったのです。もしCHPになにか考えがあったならば、どうぞ議長に要請してください。議長のもとで行われることがあるならば、それは進められることでしょう。会派副代表たちの作業も進められるでしょう。法的な基礎があれば、それに適合した方法での解決策を見つけますし、われわれこの点において、前向きに対応すると私も、私の同僚も発表したのです。」

(エルドアン首相は)大統領制がトルコにおいて議題となりえ、自身もこの制度を肯定的に考えていると、述べた。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、大統領制がふたたびトルコで議論の対象となりうるとし、以下のように述べた。「新たな憲法によって、市民がわれわれにこの権限を与えてくださるなら、これらは議題となりえ、議論、検討されうるでしょう」

エルドアン首相はATVの生放送において、記者たちの議題に関する質問に答えた。

ある記者は次のように質問した。「1982年憲法は、軍の監督下で整えられたものの、その後の過程で多くの内閣によって(全体の)65%が改正され てきました。今後、さらに(修正を)拡大させる機会があったならば、または2012年以降もこの(修正の)プロセスを続行させるのであれば、今日の小規模な改正案に含まれていない、ご自身が特に改正を望み項目はなんでしょうか。例えば大統領の権限といった観点や、高等教育機構(YÖK)といった問題があるかと思いますが・・・個々の事項を超えて憲法の精神に関わり、民主主義を拡大させるような改正という観点から、まずご自身が優先するポイントというものはあるのでしょうか。」この問いに対し首相は、2011年の選挙キャンペーンでは新しい憲法改正案を手に市民に訴えるかもしれないと述べた。(後略)

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:18917 )