タラト前北キプロス大統領、離任あいさつ
2010年04月23日付 Milliyet 紙

北キプロス・トルコ共和国(KKTC)の大統領選挙で勝利したデルヴィシュ・エルオール首相は、昨日、メフメト・アリ・タラト前大統領から職責を引き継いだ。タラト前大統領は、式典前に起きた「職員危機」のため、私有乗用車で官邸を去った。


KKTCで週末に行われた大統領選挙の勝利者、デルヴィシュ・エルオール首相は、昨日、トルコのアフメト・ダヴトオール外務大臣も出席した式典で、メフメト・アリ・タラト前大統領から職責を引き継いだ。

式典前に、執務室と職員を巡ってKKTC政府とタラト前大統領の間に危機が起きた。タラト前大統領は今後も政治活動を続けるために、執務室と職員、公用車を政府に要求した。しかし、これに対し政府は、タラト前大統領の要求した職員数が14人に達したことを指摘し、トルコでの前例に比べてこの人数は多すぎると主張した。タラト前大統領は、この問題の解決を大臣委員会で図ろうとした政府の態度に苛立ち、要求を撤回して、式典後は公用車でなく私有乗用車で大統領官邸を去った。
その前任のラウフ・デンクタシュ元大統領には、トルコのスレイマン・デミレル大統領(当時)の職員を例にとり、9人の職員と6人の警備員が配置されていた。

●国連勧告に沿った解決
式典はエルオール大統領の国会での宣誓で始まり、午後には大統領府で続いた。エルオール大統領とメラル・エルオール夫人を、メフメト・アリ・タラト前大統領とオヤ・タラト夫人が出迎えた。国歌斉唱後、まずタラト前大統領に続いてエルオール大統領がそれぞれ演説した。タラト前大統領は演説で、その任務期間中、ギリシャ側と行った会談での到達点について説明した。エルオール大統領は、最短期間で国連の示した条件に沿う解決を見出すために、今後も会談を続けていくことを強調した。

●小型トラックの運転席に
デルヴィシュ・エルオール大統領に大統領旗を渡した後、タラト前大統領は式典の警備隊に「さようなら、兵士よ」と挨拶した。タラト前大統領は、新大統領の時代に、自分に要求した数だけの職員が配置されないことに抗議するため、古い小型トラックで大統領官邸を去った。

●デンクタシュ元大統領:私は「ミスター・ノー」と称された。会談にも加わらない
RUMメディアに続いて、高い評価を持つイギリスのエコノミスト誌も、KKTCのラウフ・デンクタシュ初代大統領がエルオール大統領の時代に論客として政治参加すると主張した。デンクタシュ元大統領はこの考えに対して次のように答えた。

「私は『ミスター・ノー』の異名を持つ人間だ。残念なことに、トルコもこの不和のレッテル張りを助長した。このレッテルは、トルコ政府からも私に張られた。だから私は評議会にも公式会談にも参加しない。『会談に頑固なデンクタシュの影が落ちた』などとは言わせない。」
デンクタシュ元大統領はエルオール大統領の勝利について語り、「我々の政府と主権、そしてトルコの後ろ盾の継続を支持する側が勝利したことは喜ばしい。今、少なくともキプロス・トルコ人は世界に対して、自らの政府を持ち、今後も持ち続けることを示したのだ」と話した。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:18946 )