アルメニア「悲劇」をめぐるオバマ発言に2つの評価―4.24記念日
2010年04月24日付 Hurriyet 紙
アメリカのバラク・オバマ大統領が定例通り4月24日におこなった「アルメニア人ジェノサイド」と総称される事件に関する声明に、今年はトルコでは2つの異なる評価がなされた。
1つ目の評価はタイイプ・エルドアン首相からである。「何度かの会談によりこの事件に関する期待がとても異なっていた。これに対しオバマ大統領は、我々の繊細な感情を本当によく知っているので、この声明で『ジェノサイド』に触れなかった。」
エルドアン首相は、オバマ大統領の声明にこのような肯定的な評価をした一方、外務省はとても厳しい評価を出した。外務省は「オバマ大統領の声明に我々は失望した」と発表した後、次のように説明した.
「アメリカ合衆国大統領が毎年4月24日に発表する書面による声明が、今年もバラク・オバマ大統領によって行われた。誤りを含み一方的な政治見解を反映する発表に失望している。」
「歴史的事実の最大の敵は、主観的な記憶である。どの国民も他国の国民に自分達の記憶(の受け入れ)を強要しない。当事者でない国が、トルコ・アルメニア関係の歴史について政治理由で判断を下す権利や権限はない。」
■評価が異なる理由
エルドアン首相と外務省が行ったオバマ大統領の声明に対する評価の違いは注目を引きつけた。政治の舞台裏では、次のような解釈がなされている。
エルドアン首相は、アメリカでのオバマ大統領との会談後「私たちはお互いの考えを伝えた」と言っていた。その考えとは、オバマ大統領が『ジェノサイド』という言葉を用いない、ということであった。
オバマ大統領は、4月24日記念日の声明で『ジェノサイド』という言葉を使わなかった。このためエルドアン首相はオバマ大統領の発言を肯定的に捉えた。しかし、外務省はオバマ大統領が去年と同様、今年も1915年の事件について在米のアルメニア系市民が用いる『大惨事』を使用したことに「失望している」と応えた。
今回の件に関する外交筋の反応は次の通りである。
ホワイトハウスで行われた二度の会談でオバマ大統領は、エルドアン首相の「どうか『ジェノサイド』という言葉を使わないでください」という発言を考慮したが、『大悲劇』という言葉を使い、在米のアルメニア系市民にも配慮した。
これに対しアメリカ側に配慮して、エルドアン首相はオバマ大統領の発言を肯定的に捉えたと述べ、アメリカに対し肯定的な声明を送った。一方、外務省も『大惨事』という言葉に失望したと発表し、トルコの杞憂が続くことを強調した。
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( 翻訳者:熊谷沙織 )
( 記事ID:18964 )