イズミル連続殺人犯、逮捕!―3人の女性が被害に
2010年04月28日付 Hurriyet 紙

イズミルで3人を連続して殺害したとされるハムディ・アイリ容疑者は、警察が76の監視カメラを一つ一つ調査した結果、着用していた蛍光ジャンパーが手がかりとなり逮捕へつながった。

アイリ容疑者の所持品は13弾の銃弾、犠牲者の携帯電話3台、クレジットカードなど、殺人事件に関する新聞の切り抜き、600リラ(約37,000円)と200ドルの現金。最初に言ったのは「殺した3人とは面識がない。金がなく、彼女らの持ち物は全て奪った。ボドルムで3年前に知り合った女にひどい目に遭い、彼女を探すために来た。見つけていたら殺していた」

蛍光ジャンパーが手がかり
イズミルで頭を銃で撃って、一日おきに3日で3人を殺害した「連続殺人犯」のアイリ容疑者は、昨日早朝ボドルムで逮捕された。アイリ容疑者が殺人の際に着ていた、黒の蛍光ジャンパーが手がかりとなった。殺害した人物と面識がないことや、金のために殺人を犯したと供述しているアイリ容疑者には前科歴はなく、交通違反の切符を切られたことさえなかった。
イズミルのバルチョヴァ地区で、銀行員のエスラ・ヤシャルさん(25)、大学生のアイシェ・セレン・アイラさん(22)、コナクで「アズラ」という通称を使っていたムスタファ・ハスさん(30)が頭を撃たれて殺害された事件で、犯人である「連続殺人犯」逮捕のために警戒し捜査を進めていた警察は、昨日の朝、事件解決に至った。

顔をそむけた男
事件発生後、350人の専門捜査官と共に犯人検挙に取り組んだイズミル警察は、まず20~30歳で身長170cm前後という犯人像に当てはまる1610人を調査したが、成果はなかった。4月27日の朝にコナクでムスタファ・ハスさんが殺害された際は、周辺の店舗などに設置されている76台の監視カメラを集め調査した。その中に、ハスさんが殺害された5時25分から5分後に黒いビニール袋を持って歩道を歩く男の映像があった。男は道路のパトカーを見ると、顔をそむけていた。

ジャンパーを着ている唯一の男
監視カメラにこの男の顔は映っていなかった。しかし、はっきりとした特徴があった。容疑者は腕とすそに蛍光加工のあるジャンパーを着ており、カメラにそれが映っていた。警察はすぐに他の事件があったバルチョヴァの監視カメラのデータを調べた。2つの事件のあった地区の監視カメラにも、同様のジャンパーを着た人物が映っていた。最後の事件の数時間後、コナクの中古携帯電話店の監視カメラで同じジャンパーを着た人物が携帯電話を売っているのを確認した警察は、現場に向かった。

電話を売ったあと
殺人犯が150リラ(約9300円)で売った携帯電話は、最後の犠牲者だったムスタファ・ハスさんのものだった。連続殺人犯の映像がカメラにはっきり映し出されていたので、警察はその写真をバルチョヴァの事件現場周辺で一人ひとりに見せて回った。その結果、27歳のハムディ・アイリ容疑者の身元が明らかになった。イズミルとボドルムの高級レストランでウェイターとして働いていたが、最近は無職であったというアイリ容疑者は、一昨日の夜23時のバスでボドルムのギュムベトに向かったことがわかった。

そばに拳銃
早朝、イズミル特殊捜査部隊の警官と殺人捜査本部のグループはアイリ容疑者が泊まっていたペンションに踏み込んだ。部屋のドアを壊して中へ入った特別部隊は、ベッドから飛び出してスーツケースの上にあった拳銃を取ろうとするアイリ容疑者を取り押さえた。銃弾が詰められた7.65mm口径の拳銃は、3人を殺害したのに使用されたものと同じであることが確認された。

犠牲者の荷物
マルディンに住民登録があるアイリ容疑者が所持していたのは、13弾の銃弾、犠牲者たちから奪った3つの携帯電話、クレジットカード、殺人事件に関する新聞記事の切り抜き、600リラと200ドルの現金だった。アイリ容疑者はギリシャのイスタンキョイ島(コス島)から国外への逃亡を計画していたことが明らかになった。

兄弟も取り調べへ
取り調べのためボドルム市警察署へ連行されたアイリ容疑者は、その後イズミルへ移送された。アイリ容疑者は独身で前科もないことがわかっている。警察はイズミルにいる3人の兄弟も拘束されたが、3人はアイリ容疑者と長い間会っていないと言い、事件と何の関係もないことを主張した。

「警察をチェックしていた」
自身を逮捕した警官に殺人を供述したアイリ容疑者は、「殺人のあとに家から現場で起こっていることを眺めていた。人ごみができると、その中に紛れ込んで、警察が死体を調べている間に辺りを歩いて様子を伺っていた。こんなに早く捕まるとは思っていなかった。ボドルムにもうしばらく留まってから、実家に逃げるつもりだった」と話したという。

「ボドルムで昔の恋人を殺そうと思った」
また、ボドルム県警での最初の供述では以下のように話している。「殺害した3人のことは知らない。金がなく、持ち物は全部奪った。こういうことをしたのは初めてで、捕まるか、殺人をし続けるかだと思っていた。3年前、ボドルムでウェイターをしていたときに知り合った女にひどい目に遭った。ドラッグをやらされ、金を使い果たし、あげくに放り出された。そのせいで女を信用できなくなった。ボドルムには彼女を見つけに来た。見つけていれば彼女も殺しただろう。そのあと、ここで仕事を見つけて働こうと思っていたが、捕まって良かったと思う」

1月に女子大生に怪我をさせていた
イズミルで土曜日の夜以来次々とおこった3件の殺人事件の容疑者として捕まったアイリ容疑者は、1月にもナイフで女子大生を刺したと供述している。アイリ容疑者が治安担当局で拘束されている際、以前の事件との関連を調べる警察チームは、以前バルチョヴァのフェヴジ・チャクマク地区でナイフで襲われた大学生、D.B.さん(24)をボズヤカの警察に呼んだ。D.B.さんは1月9日0時15分に、バスから降りて家へ向かう途中、何者かに襲われナイフで右腕と左手に怪我をしたが、その犯人がアイリ容疑者であると認めた。
アイリ容疑者が同様の他の事件に関わっている可能性があるとして、他県で未解決の強盗や殺人事件についても調査が始まった。アイリ容疑者は殺人に関する20の質問には答えていない。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:18982 )