PKKの襲撃にヘリコプター出動できず、雨と霧が原因―4人殉職
2010年05月01日付 Hurriyet 紙
トゥンジェリ県ナズィミエ郡のサルヤイラ軍警察(ジャンダルマ)駐屯地に、50人のクルド労働者党(PKK)メンバーのグループが襲撃した。何時間も続いた衝突の結果4人の兵士が殉職し、7人が負傷、うち2人が重傷を負った。この襲撃で多くのテロリストも殺害され、1人の女性テロリストの遺体が発見された。霧のためコブラ・ヘリコプターは離陸できず、部隊派遣のため朝が待たれた。霧が晴れず、ヘリコプターは朝になっても飛ぶことができなかった。軍警察特殊行動部隊も雨の中35キロメートルを大急ぎで駐屯地に駆け付けた。
テロリストにより長い銃身の銃で襲撃されたサルヤイラ軍警察駐屯地へ、部隊派遣が要請されたが、霧のためヘリコプターで移動出来ず35キロメートルの道程を大急ぎで移動せざるをえなかった。
約100人の軍警察特殊行動部隊は駐屯地があるサルヤイラ村の事件現場に、舗装道路に爆発物が敷設されている可能性があるにも関わらずナズィミエ郡から歩いた。豪雨の中35キロメートルの道程を歩いてサルヤイラ村に到着した特殊行動部隊は、村にある駐屯地の安全確保と事件現場での現場検証を行うという。
■襲撃の詳細が明らかに
テロ組織PKKのカンディル山を拠点とするリーダーが指示をだし、それにしたがって50人のテロリストのグループが昨夜(30日)ナズィミエ郡から約35キロメートルの場所で、ビンギョルのキウ、ヤイラデレ両郡の境にあるサルヤイラ村軍警察駐屯地を襲撃した。襲撃の前にナズィミエのクズルメスジト、ビズィク森とキウの農村部に隠れていたテロリストの一部は、夜霧が濃く雨が降っていたことを利用してサルヤイラ村に侵入した。同村は夏には人口が多くなるが冬には7、8家族のみが暮らしていた。他のテロリストたちも、サルヤイラ村の標高1300メートルの山麓の地肌がむき出しの土地に築かれた駐屯地を見下ろす丘に、重機関銃とロケットランチャーを設置した。
■濃霧の中襲撃
テロリストは濃霧と雨の中、22時45分に襲撃を開始した。テロリストはまず駐屯地を見下ろす丘から、PK機関銃と重機関銃で駐屯地の安全を守る陣地を狙い、その後駐屯地にロケットランチャーで攻撃した。
PKKのテロリストの襲撃に対し、40人の兵士が勤務する駐屯地からすぐに反撃が行われた。駐屯地司令官のハサン・オズベルク曹長と副官たちは銃弾の中、駐屯地の建物から出て、テロリストたちが侵入を試みた陣地で戦っている兵士たちのそばへ向かった。
兵士たちと協力して応戦していたオズベルク曹長は、村内に前もって潜入しそこから陣地を銃撃しているテロリストたちに反撃した際、村人たちに被害が及ばないよう、注意を払うよう命じた。
駐屯地を見下ろす丘から銃撃したテロリストだけでなく、村内に侵入していたテロリストも陣地近辺まで来て、兵士たちに向かって手榴弾を投げた。しかし勇敢な司令官オズベルク曹長とその戦友たちが殉職するという犠牲は払ったものの、テロリストに陣地を明け渡すことはなかった。
■衝突は何時間も続いた
サカルヤ軍警察駐屯地を襲撃したテロリストたちと兵士たちの間で起こった衝突は数時間にわたって続いた。
この衝突で、駐屯地司令官で40歳のハサン・オズベルク軍警察曹長、28歳のケマル・コチュイイト上級軍曹、兵卒で21歳のアデム・シムシェキ、同21歳のアフメト・エイジェが殉職した。駐屯地副司令官の下士官と上級軍曹1人、兵卒5人も負傷した。
衝突が続く中、濃霧と雨によってコブラ・タイプのヘリコプターはこの地域に行って、軍事介入することができなかった。真夜中に、ナズィミエから当該地域にかけ地雷が敷設されている可能性があり、周波数かく乱のためのジャマーのついた車とともに装甲車および兵士が送られた。攻撃を行ったテロリストたちは夜の闇と降水、濃霧を利用して森に逃走し、足取りを消そうとした。衝突の起こった地域で1人の女性テロリストの遺体が発見された一方、軍関係者はこの衝突で死亡したテロリストの人数はさらに多く、はっきりとした数は現地調査のあと明らかになると述べた。
■特殊部隊による作戦
当該地域に送られた援助部隊は逃走したテロリストたちを壊滅するため、広範囲に及ぶ作戦を開始した。日の出とともに地域に到着した特殊訓練部隊と、全員が上級軍人からなる部隊はテロリストを追跡した。作戦が行われたこの森林地域は冬に降った雪がまだ完全にはとけておらず、またヘリコプターは濃霧によって長時間出発することができなかった。14時30分から天候が回復し、これとともにコブラ・ヘリコプターは地上で実行されていた作戦に空からの支援を行うことができた。
■PKK党員に爆弾の雨
トゥンジェリ軍警察地域司令部を出発したスーパー・コブラ・タイプのヘリコプターは、テロリストたちが逃走し、潜んでいると見られるクズルメスジト、ドクズカヤ地区とベズィク森の一部を爆撃した。トゥンジェリ第4特殊部隊旅団からの専門的な訓練を受けた兵士たちのみの部隊も、シコルスキー・ヘリコプターで作戦地域に着陸した。特殊部隊は、逃走を試みたテロリストたちを壊滅するため、間断なく作戦を続け、テロリストたちと一発触発の状態であることが明らかにされた。
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:19010 )