学校教育で、選択科目としてアラビア語を学べるようになる。アラビア語教育学科やアラビア語・アラビア文学科の卒業生は、国民教育省の職員に採用されることになる。
閣議は、学校教育で「アラビア語」教育が行われるようになる決定を下した。初等教育及び高校において外国語必須科目の他に開講されている「外国語選択科目」で、「ドイツ語、フランス語、中国語、英語、スペイン語、イタリア語、日本語、ロシア語」の中から生徒・学生はひとつを選ぶことになっているが、この選択肢の中にアラビア語も追加されたことを、国民教育省関係者が明らかにした。
この決定は5月14日に官報に掲載され、学校教育におけるアラビア語教育の実施が、国民教育省の2010年3月24日付の文書によって、1983年10月14日付法律第2923号第2条に基づき、閣議にて2010年4月8日に決定されたことが明らかになった。
法律第2923号「外国語教育とトルコ国民の他言語・方言学習に関する法」の第2条には、全ての学校教育において教育されている外国語と、外国語で教育を行っている学校が従う原則が明記されている。同条の(c)項には、教育が行われる外国語については、閣議の決定に従って決められると記されている。
■EU調和における改訂
この項の規定は、2003年に公布されたEU調和法の枠組みの中で改訂された。この項には以前、「トルコで教育される外国語は、国家安全保障評議会の見解をふまえながら、閣議の決定によって決まる」と書かれていた。
■クルド人の子どもの要望
教育組合長のズベイデ・クルチ氏は、この決定が教師や組合、専門家に相談されずに決められたとし、以下のように述べた。
「アラビア語が、どのような必要に基づいて教育言語として定められたのか、説明してもらいたいです。この国に国民として住んでいながら、自身の母語で教育を受けられないより多くの人々がいます。クルド人の子どもたちは、母語で教育を受けたがっています。ラズ人、チェルケズ人もいます。母語教育の要望がある中で、ある法律の条項に基づき、『アラビア語で教育が行われる』との決定は、如何なものか」
■1973年に始まった
国民教育省の現行の規定では、外国語必須科目の枠組みの中で、英語・ドイツ語・フランス語教育が行われている。教育評議会が1973年に下した決定によって、高校での英語・フランス語・ドイツ語教育が始まり、1997年に定められた8年間の継続的な教育を目的とした規則に従い、初等教育4年生から外国語が必須科目とされた。
■雇用分野が生まれた
アラビア語教育学科、アラビア語・アラビア語文学科の卒業生で、且つ教授法を学んだ者が、教員として国民教育省職員になることが今後問題となりうる。教育組合関係者は、神学部の卒業生で教授法を学んだ者についても、同省の職員(教員)となる可能性があると述べた。イマーム・ハティプ高校(イスラム宗教高校)では、アラビア語は専門科目として、9年生・11年生・11年生に対し週5時間、10年生に対しては週6時間教授されている。イマーム・ハティプ高校の生徒が選択科目としてアラビア語を選ぶ場合、専門科目としての時間を除いて、10年生は更に10時間、11年生と12年生は更に11時間アラビア語の授業を受けることになる。
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( 翻訳者:津久井優 )
( 記事ID:19129 )