昨日、アフマディーネジャード大統領によって、初の純イラン製自動車「ティーバー」の生産ラインの稼働が、カーシャーンにある中東最大の自動車製造工場群で開始された。
複数の通信社の報道によると、「ティーバー」はSAIPA社製自動車「ミニアチュール」が名称を一新して付けられた名前だ。この自動車の技術ナンバーはS81で、カモシカ、あるいはカモシカの一種イラン・ガゼルを意味している。
318ヘクタールの敷地面積と年間15万台の生産能力を有し、中東最大の自動車生産工場群とも称されるカーシャーン市内の敷地内で、この車の生産ラインは始動した。このラインでは、「SAIPA111」も生産される予定だ。この敷地を〔自動車生産工場として〕活用するために、4千億トマーン(約400億円)の投資が行われたという。
ティーバーはサマンドに続いて、2台目の国産自動車である。SAIPA社は、この車が純イラン製であると主張しているが、その理由は、サマンドがプジョーのエンジンとギアボックスを使い、それ以外の部品でイラン製を用いていたのに対して、ティーバーは明らかに国産エンジンを使っているためである。
このようななか、ティーバーは国内市場に参入する際の最初の試練として、「ミニアチュール」という名称上の大問題に直面した。というのも、革命最高指導者〔=ハーメネイー〕の指摘によって、ティーバーの以前の名称〔=ミニアチュール〕は非イラン的であることが明らかとなり、そのためにSAIPA社はこの車のために新名称を選定することになったからである。
他方、ティーバーの価格はまだ明らかになっていない。これまでの発表では、この車は1千万トマーン(約100万円)以下で提供されることになっているが、この約束がどれほど実現されるかについては、今後をみなければならない。いずれにせよ、これまでの巨額の投資によって生まれた国産第二号車が、市場の洗礼をいかにくぐり抜けるか、これからを見守る必要があろう。
〔後略〕
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( 翻訳者:石井健介 )
( 記事ID:19145 )