借入金の返済を遅延させている者たちの中に大物二世がいる:情報相が指摘
2010年05月13日付 Jam-e Jam 紙
情報相は、司法権と協力して金融機関からの莫大な借金を抱えている負債者たちのリストを作成したことに触れ、このリストには一部有力者の「御曹司」の名前が含まれていることを明らかにし、「これらの者たちはその他一般の負債者と同様、法的手続きを経た上で、司法機関に委ねられるだろう」と述べた。
〔※「御曹司」という語には、親のコネを使って不当に利権を貪る者、という意味が含まれる。具体的にはハーシェミー=ラフサンジャーニーの息子
メフディー・ハーシェミーの名前が、しばしば(特に2009年の大統領選以降)取り沙汰されている〕
ファールス通信によると、ヘイダル・モスレヒー情報相は通貨信用評議会の会議に出席し、その傍らで記者団を前に、〔経済的な不正疑惑がもたれている〕「
大物」らをめぐる状況、ならびにブラックリストの公表について質問に答える形で、「これらの者たちの氏名の公表については、特別な法律や規定が存在する。司法機関と調整することなく公表することはできない」と語った。
また同氏は、「彼らの氏名を司法権に提出すれば、司法の側も容疑者の記録について調査を行うことになる。また、彼ら容疑者の裁判が結審した場合には、その時に法律に従って彼らの氏名を公表することになるだろう」と強調した。
通貨信用評議会の委員の一人である同氏は、〔不正疑惑がもたれている〕「大物」らのなかに、〔政財官界の〕有力者らの「御曹司」の名前も〔このリストに〕含まれているかとの質問に答え、「一部の御曹司の名前も、このリストには存在する」と語った。
情報相は大物御曹司らへの対応方法について、「彼らも〔その他の犯罪者と同様に〕司法に委ねる」と明言し、さらに「司法機関は類似の事件に関して、特に力を入れて対応すべきだ。最新の中央銀行の統計によると、金融機関が抱える遅延債権の額は45兆5千億トマーン〔約4兆5千億円〕に上る」と付け加えた。
〔※ここでモスレヒー情報相は、「大物」らが債務の支払いを自らの政治的権力を使って
意図的に滞らせているとされる問題を念頭に置いている〕
経済財政省のアスガル・アボルハサニー次官は最近、つぎのように述べている。「1100の企業が債務の支払いを滞らせており、そのうち100の企業が最も高い額の債務を遅延させている。〔‥‥〕金融機関による貸付金の23パーセントが回収遅延債権となっており、今年の中央銀行の政策は、それを10パーセントにすることを目標に据えている」。
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( 翻訳者:塩尻菜穂子 )
( 記事ID:19155 )