【マリーヘ・キャリーミー】イランには野生のネコ科動物が10種類生息していたが、うち2種は絶滅、残りの8種が今のところ現存している。

　「マヌルネコ」や「スナネコ」のようなネコ科の希少種の生息状況は、あまりはっきりとはしていない。イランにはスナネコやジャングルキャット、マヌルネコなど8種類のネコ科動物がさまざまな生息地に点在しており、これらの種の保存は困難を極めている。

　一年間で寄せられるマヌルネコやスナネコといった貴重な種の目撃情報は数が少なく、それら種の生命は〔絶滅の〕危機にさらされているといってよい。

　昨年、イラン環境庁にはチーターの目撃情報が80件寄せられたが、一方でスナネコの目撃情報の件数は2〜3件を超えることはなかった。こうした件数の少なさからも、ほとんどのネコが〔絶滅の〕危機に瀕していることが分かる。

　イランにはネコ科の動物が8種類生息するなど、豊富な多様性を誇るが、にもかかわらず、この生物種についての情報は少ない。

　ここ数年、アジア・チーターとイラン・ヒョウには特に注意がはらわれるようになり、こうした情報不足の一部を補っているが、イランに棲む小型のネコ科動物は広い地域に散らばり、種類も極めて多様であるため、大規模な調査はまったく行われてこなかったし、短期の一時的調査でさえも、お目にかかったことはない。

　現存する情報に大きな空白が存在することを考えると、イランに生息する6種の小型ネコ科動物に対してより関心を払い、広範かつ最新の調査を実施することが必要であろう。そうすることで、これらの種を保存するための計画を効果的な形で整えることができるだろう。また、イラン・ライオンとマーザンダラーン・タイガーを絶滅へと追いやり、アジア・チーターとイラン・ヒョウを絶滅の危機に陥らせた状況の再現を防ぎ、そのための適切な対策を練ることも、これによって可能になるはずだ。



Tweet

つづきを読む
関連記事（マーザンダラーンのトラ、故郷に帰る）

　同じジャンルの記事を見る

（ 翻訳者:高山奈美 ）
（ 記事ID:19211 )