「オバマ大統領、エルドアンを1時間説得」ワシントン・ポスト紙
2010年05月24日付 Radikal 紙
ワシントンポスト紙は「アメリカとトルコの関係者からの情報によると、水曜日にオバマ大統領はトルコのレジェプ・タイイプ・エルドアン首相に、トルコがイランと結んだ合意が、核開発計画を持つイラン・イスラム共和国を孤立させるようとするアメリカの努力といかに矛盾するかを説明し、電話で1時間以上を費した」と記した。
イランとの核燃料交換に関し、テヘランで合意に達したことでトルコへの批判的論評が続いている。ワシントン・ポスト紙は、アメリカのバラク・オバマ大統領はレジェプ・タイイプ・エルドアン首相にこの合意がアメリカ努力に矛盾すると述べ、電話で1時間以上を費やしたと記し、合意がトルコ・アメリカ間の不和を生んでいるとした。そして、「イラン問題での対立は、両国間の関係をより緊迫させうる」と論じた。「(トルコとアメリカという)同盟国間の同調は、これ以下はあり得ないほどだ。」「トルコ人にとってこれは、多大な犠牲を払って得た(ローマ帝国の)ピリックの勝利になるかもしれない。彼らは、アメリカとの関係を本当に悪化させている」との意見を掲載した。
ワシントン・ポスト紙は、トルコがブラジルと共にイランとの核燃料交換を合意したことがトルコ・アメリカ関係に及ぼす影響を分析する、ジャニーン・ザカリア氏の署名入りの記事を掲載した。「イラン問題での対立は、両国間の関係をより緊迫させうる」と題した記事において「オバマ大統領は昨年、アメリカとトルコは『今日の脅威を克服するために、お互いに協力する必要がある』と言っていた。しかし、今月、両同盟国間の同調は、これ以下はあり得ないほど悪化している」と評した。
■「テヘランでの合意はアメリカの担当者を不快にさせた」
ワシントン・ポスト紙は、テヘランでの合意は、イランへの新たな制裁に関し国連の安全保障理事会でのコンセンサスを得るためにオバマ政府が行っている取り組みに対する「脅威」となり、アメリカの担当者を「非常に困惑させた」と述べた。そして、これに関連し、アメリカの高官の言葉として、「トルコとの間には、常に協力しなくてはならない重要な案件が存在している。しかし、私たちにとってこれほど重要な案件でのことなので、アメリカ人一般、さらに議会や大統領が、トルコとの関係で影響を受けることは避けられないだろう」と記した。
ワシントン・ポスト紙は、イランの件でトルコとアメリカの間に生じた「対立」は、今年のはじめにアメリカ上院外交委員会が「アルメニア人ジェノサイド」法案を批准したことから生じ、その後、両国関係に困難な時代が訪れたとし、次のように続けた。
■「論争はトルコが自信をつけた結果」
「今月起きた対立は、単にイランの核開発問題への対応をめぐっての意見の相違から生じただけではなく、同時に、当該地域の有力国として自国を認めさせようとしているトルコが自信をつけてきた結果でもある」とし、トルコの政治リーダーは外交政策でアメリカからの独立を求めているとの見方を示した。そして、アメリカのヒラリー・クリントン外務大臣が、テヘランでの合意の一日後に国連の安全保障理事会の5常任理事国が制裁の件で合意したという発表をしたことに注目した。記事は、この発表が、「アメリカがトルコに対して抱いた不快の表明であり、また、トルコの外交努力に対する一撃」とみなされうると述べた。
■オバマ・エルドアン電話会談
一方、この記事では、テヘランでの合意に関してエルドアン首相とオバマ大統領が行った電話会談にも言及している。記事は、「アメリカとトルコの関係者からの情報によると、水曜日に、オバマ大統領はトルコのレジェプ・タイイプ・エルドアン首相に対し、トルコがイランと行った合意が、核開発計画をもつイランを孤立させようとするアメリカの努力といかに矛盾するかを説明し、電話で1時間以上を費やした」と記した。
ワシントンポストは、あるトルコの関係者の言葉として、「アメリカ政府は私たちがアメリカと国連安全保障理事会のほかの同盟国の取り組みを妨害していると考えている。全くそんなことはない。たしかに、制裁が抜本的解決にはならないことを私たちは知っている。しかし、妨害というような考えは私たちにはない。私たちがしようとしていることは、イランの人々をひっぱって、包括的な核問題討議のテーブルにつかせるため、一種の土台を形成することだ」との発言を引用した。
■「トルコ人はアメリカとの関係を悪化させている」
記事はテヘランでの合意に対する評価も掲載し、その中でワシントンのシンクタンク、カーネギー財団のトルコ専門家ヘンリー・バーキー氏は、「トルコにとって、これは、多大な犠牲をはらって(ローマ帝国が)得た、ピリックの勝利となるかもしれない。アメリカをこ馬鹿にすることで、第三世界にはとても立派に見えている。しかし、アメリカとの関係は著しく悪化させている」と語った。
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( 翻訳者:大嶽真梨子 )
( 記事ID:19220 )