■ 南アフリカ政府の秘密文書、イスラエルの核兵器保有を裏付ける
2010年05月25日付『アル=ハヤート』(イギリス)HP1面
【カイロ:ジーハーン・アル=フサイニー、ナザレ:アスアド・タルハミー】
イスラエルの核兵器保有を裏付ける初めての「公的証拠」として、南アフリカ政府の秘密文書が公開された。イスラエルはなんとか公開を阻止しようと数々の圧力を加えたが、公開に踏み切られた。文書によれば、イスラエルは1975年に南アフリカ政府に対して複数の核弾頭を売却しようとしていたという。これに対して当時イスラエル国防相だったシモン・ペレス現大統領の官邸はこの件を強く否定した。またこれと時を同じくして昨日オーストラリア政府は、ドバイでのハマース幹部マフムード・アル=マブフーフ暗殺で偽造パスポートが使用された件に関連して、イスラエルの外交官1人を追放した。さらに、エジプト情報局のウマル・スライマーン長官がイスラエルを訪問した。抵抗運動の「情報収集」をしようとガザ地区に潜入したとされるエジプトの上級将校を拘束したとハマースが発表し、エジプト側がその説明に疑問を呈するなか、エジプトとハマースの関係は再び悪化している。
アメリカ人研究者のサシャ・ボラコフ・ソレンスキー氏が、イスラエルと当時の南ア少数白人政権の関係についての著作のために行った調査の一環として参照した1975年の南ア政府の秘密文書によれば、イスラエルはその年、南アに複数の核弾頭を売却しようとしていたという。
また一昨日[23日]の英国紙『ガーディアン』によると秘密文書の一つには、当時ペレス国防相が、南アのピーター・W・ボタ国防相と二国間での核協力を提案していたと記されているという。ボタ国防相は核弾頭の提供を求め、ペレス国防相は3種類の大きさの核弾頭の提供を提案し、両国防相は二国間で安全保障協力に関する秘密協定を結んだという。さらに同紙によれば、現イスラエル政府は南ア政府に対して過去の秘密文書を公開しないよう数々の圧力をかけたが、その努力は無駄に終わったという。ペレス大統領官邸は昨日この報道をすぐさま否定し、声明の中で、報道は事実無根だとして「何か他のことをさらに主張しようとしたり、文書まがいのものを公開する動きがあるかも知れないが、それは全てでっち上げの嘘だ」とした。
(後略)
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