アッバース大統領とミッチェル米中東特使が19日に会談
2010年05月18日付 Al-Ahram 紙
■ 明日のアッバース・ミッチェル会談の主要テーマは入植問題
2010年05月18日付『アル=アハラーム』(エジプト)アラブ諸国面
【ラーマッラー:ハーリド・アル=アスマイー】
アメリカ中東特使のジョージ・ミッチェル上院議員とパレスチナのマフムード・アッバース大統領(アブー・マーズィン)が明日会談を行う。パレスチナのサーイブ・ウライカート交渉団長は、今回の会談ではイスラエルとの最終的地位交渉に関して話し合われると表明した。
しかしウライカート氏は、「当面は1967年の国境でのニ国家の正式な樹立のために国境と治安問題に専念し」と述べ、中東通信社(MENA)に対する談話の中で、「占領下エルサレムを含む1967年6月4日以前の総面積を侵さない程度であれば、双方間の土地の多少の交換措置は可能だ」と付け加えた。
ウライカート氏が言及していたのは、イスラエルが1967年の戦争で占領した西岸地区とガザ地区とエルサレムである。パレスチナ側はこれらの地域に国家を樹立したいと考えており、そのための合意に向けて交渉を行っている。またウライカート氏は、「もしイスラエルが入植活動と家屋の破壊、住民の追放や既成事実の押し付けを続けるのなら、交渉は開始前に崩壊を決定づけられたことになる」と述べ、「イスラエルには尊重するべき義務がある」と語気を強めた。
また、「間接交渉において我々とアメリカ側の間で提起されているのは、難民、国境、エルサレムの帰属、収監者の問題、水資源の問題など最終的地位をめぐる問題であり、それらは国際的な取り決めや国際法に基づいて解決し、イスラエルのパレスチナ占領を終わらせ、パレスチナ独立国家の樹立に到るべきものだ」と述べ、「これが現在の図式であり、イスラエル側には和平か入植活動継続かの二つの選択肢があり、同時に両方を得ることはできない」と説明した。
またパレスチナ情報筋によるとアッバース大統領は、パレスチナ自治政府がアメリカ政府に送った書簡に関してミッチェル特使からの明確な回答を待っているという。その書簡は自治政府が間接交渉の開始に合意した後、イスラエルがエルサレムでの入植活動を継続すると発表したことについて、アメリカに立場の明確化を求めるものである。
間接交渉では安全保障と国境の問題が取り上げられる予定だが、イスラエルが新たな入植計画を発表した件に関する協議がミッチェル氏とアッバース大統領の会談の大半を占めると思われる。パレスチナ政府は中東和平カルテットとアメリカ政府をはじめとする国際社会に対して、パレスチナ人民を国際的に庇護し、エルサレムなどでのイスラエル入植活動を包括的かつ完全に中止させ、イスラエル占領当局の支援を受けた入植者の組織的なテロ活動など引き続く侵害行為連鎖する暴力を停止させるよう求めた。
(後略)
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( 翻訳者:松屋直子 )
( 記事ID:19224 )