今年も、メッカ巡礼を実現すべく聖地へ赴く人々が、コンピューター抽選で決定した。
宗務庁アリ・バルダクオール長官自らも参加して行われたこの抽選は、庁内の会議室にて行われた。
バルダクオール氏は、メッカ巡礼というものは世界的に有名な信仰行為のひとつであると述べた。希望を抱き祈りながら巡礼を希望した大勢の人々に、巡礼の機会を与えることができず、わずかな人々しか巡礼に連れて行くことができないことを非常に残念に思っていると語るバルダクオール氏は、当選者は候補者11人に1人の割合となることを明らかにした。
これが、サウジアラビアが適用している定員割り当て制度によるものだと明かすバルダクオール氏は、トルコが非常に良い巡礼団を送る国の一つであるため、毎年補欠枠を獲得していると述べた。バルダクオール氏は、今年はハレム地区の災害のために補欠枠が与えられるか否かまだはっきりしていないとも語った。
今年の抽選で80万人の希望者がいることを発表したバルダクオール氏は、これらのうちたったの7万4000人しか巡礼に行かれないと述べた。応募者の公平かつ公正な抽選を行うため、去年から｢係数｣方式を採用したとするバルダクオール氏は、この方式において4年連続で応募し、しかし一度も当選しなかった人は、16倍の優遇当選確率を獲得し、同じようにして2年連続で応募した人は4倍の当選確率を獲得することになると述べた。
バルダクオール氏は、4年連続で抽選に参加している応募者が大体25万人となると指摘し、「当選していない皆さん、心配しないでください。どうか悲しんで落胆しないでください。『神の御意志』であるとし、『今回は招かれなかった』と思い、来年に希望を託してください」と話した。
省庁間巡礼・小巡礼委員会は今年も巡礼者のために行うべきことを決めたと述べたバルダクオール氏は、委員会は巡礼費用を去年と同額にすることを決定したとした。
殉職者の親族や、兵士の家族たちのためにも、一般人とは別に設けられた600人分の枠が用意されていることを表明したバルダクオール氏は、巡礼に応募した殉職者の家族や兵士の親族らは、彼ら専用のシステムで彼らが望む形で巡礼に赴くことができると述べた。
バルダクオール氏は、今年初めて高齢者に優先枠が与えられたと述べ、85歳以上の2000人の巡礼希望者が順番を待っていると語った。同長官は、「最高齢を筆頭に、カテゴリーや年齢別に5000人分の枠を設けました。また彼らには、一人までの付き添い(同伴者)が認められて、巡礼に行くことになります。同伴者がこの枠を利用するためには、付き添うことになる高齢者が、絶対に巡礼に行くことが条件となります。当選した高齢者が巡礼に行くことができなくなった場合、同伴者も同様に権利を紛失します」と述べていた。
例年に比べ、巡礼者の平均年齢が年々に上昇し、今年の平均年齢が57歳までに上がったとするバルダクオール氏は、本来なら巡礼および小巡礼は「若者のつとめ」であると強調した。
バルダクオール長官は、宗教的な雰囲気を、きちんとした意味とともに感じてもらうためには、巡礼が可能な限り若い内に行われることが重要であると語った。
巡礼登録権を獲得した当選者へは、必要な本やパンフレットなどが配布されるとした長官は、彼らが聖地へ赴く前に精神的な面でそして知識的な面で十分に準備をし、また配布された本などを注意深く読んでいてほしいと希望した。
広間で待機している当選者に、国務大臣ファルク・チェリキ大臣のメッセージを伝えたバルダクオール氏は、多忙なためチェリキ大臣が抽選に参加できなかったと述べた。氏は、特に高齢者枠を設けることにおいて励ましや支援を受けたとしてチェリキ大臣に感謝の意を表した。
バルダクオール長官は「当選者たちが無事に巡礼を果たし、落選者たちは落胆しないように」と願って、宗務高等委員会会長ハムザ・アクタン氏と省庁間巡礼・小巡礼委員会委員のメフメト・クトゥル氏に、コンピューター抽選を開始させた。
■イランは宗務庁のやり方を見習うだろう
抽選式にイラン国際ハッジ巡礼組織委員会のムハンマド・ルザー・バグリ会長も参加した。
アリ・バルダクオール長官は、イランでは巡礼に行くために170万人もの人が応募しているとし、バグリ氏はトルコでのやり方を見るためにここに来られたと述べた。
バルダクオール長官は、「イランのハッジ巡礼人数枠はどれくらいか」という質問に対し、「大体トルコと同じくらいです」と返答した。
巡礼応募者は、http://hac.diyanet.gov.trの抽選結果のページにてトルコ共和国身分証明番号を入力することにより、抽選結果が今日（5月26日）の21時以降に見ることが出来る。
衛星生放送での結果発表は、TÜRKSAT-3Aにて11136Horizontal(水平)Symbol Rate:2960 FEC:5/6の周波数にあわせることによって視聴することができる。
今年の巡礼抽選には去年からの応募更新者55万8696名に加え、新規応募者23万7539名の計79万6235名が応募した。
メッカ巡礼の最終登録は6月7日から18日に行われる。出発は2010年10月9日から11月10日、帰国は2010年11月20日から12月21日となっている。
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（ 翻訳者:智原幸穂 ）
（ 記事ID:19239 )