ヌーリー=ハメダーニー「イスラーム法学者は戦争の文化的・政治的・経済的諸側面について研究すべき」
2010年05月20日付 Mardomsalari 紙
アーヤトッラー・ヌーリー=ハメダーニーは、「国内の各勢力は、政治的・文化的・経済的な国境への敵の侵略に対して、注意を怠ってはならない」と指摘した。
イラン学生通信(ISNA)によると、マルジャエ・タグリード(シーア派最高の宗教的権威)である同氏は、ファールス州訪問の4日目にあたる昨日、同州に駐留する軍関係者らを前に、「〔イスラームにおいて〕ジハード(聖戦)とジハード戦士の地位は極めて高い。ムスリムの名誉と偉大さは、〔彼らの信仰のなかに〕ジハードがプログラムされているかどうかにかかっているのだ」と語った。
同氏は、ジハードの可能性を積極的に扱ってこなかったことが、ムスリムに対する〔世界の〕侮蔑と嘲笑をもたらしたのだと述べ、こう指摘した。「〔第5代〕イマーム、モハンマド・バーゲルは、イスラームの偉大さの極意をジハードの中に凝縮させている。それゆえ、ジハードに関心を払うことは、ムスリム全員にとってイスラーム法上の義務なのである」。
ゴムの神学校でも古参の教授として有名な同氏は、さらに「イスラームの預言者は常に、ジハードに出陣するか、あるいはジハードに出陣する準備を整えるかするよう、ムスリムに対して求めていた」と付け加えた。
〔中略〕
ヌーリー=ハメダーニー氏はまた、次のように指摘した。「敵は常に陸上、ないしは海上の国境から〔イランを〕攻撃するとは限らない。彼らは時に、国の文化的・政治的・経済的国境を攻撃の標的とすることがあるからだ。しかし今まで、このような文化的・政治的・経済的侵略が行われたことがなかったため、イスラーム法学でもこの問題に関する記述は存在してこなかった」。
ゴム神学校でイスラーム法学の上級コースを教える同氏は、その上で「文化的・政治的・経済的な国境にも、敵が〔イランの内部に〕浸透する経路があるということを知ることは、ムスリムにとってきわめて重要である。イスラーム法学者も、こうした戦争の諸側面について、イスラーム法学のなかで研究しておくことが必要だ」と語った。
同氏はさらに、「文化的・政治的な国境への敵の侵略こそ、今日我が国を脅かしている、あの『ソフトな戦争』、『ビロード戦争』と呼ばれているものに他ならない」と指摘した。
マルジャエ・タグリードである同氏は、イマーム・ホメイニーの思想に触れて、「故ホメイニーは世界情勢を深く理解し、また国民を動員することで、東西の抑圧主義諸国〔=米ソ〕の権威を地に貶めることに成功した」と指摘し、次のように続けた。「イマーム・ホメイニーの登場の後、〔イランの〕人民と軍の平手打ちをくらった敵は、イスラームと革命に対して〔復讐の〕爪と牙を鋭く研いでくるようになった。しかし、アーヤトッラー・ハーメネイーは勇敢にも、敵に抵抗した」。
ヌーリー=ハメダーニー氏はさらに、アーヤトッラー・ハーメネイーをコーランの「勝利」章の各節の内容になぞらえた上で、「ファーテメ文化をもったイラン人民が敗北を喫することはない」と付け加えた。
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( 翻訳者:種谷悠樹 )
( 記事ID:19241 )