悲しみと怒りのなか、ガザ支援船の死亡者の埋葬、各地で
2010年06月05日付 Milliyet 紙


ガザ支援船マーヴィ・マルマラ号に対するイスラエル兵の攻撃で命を落とした人々のうち、8人が昨日埋葬された。何千人もの人が参加した葬儀の場は、イスラエルへの怒りにあふれていた。

■アダナ:「今日は最も幸せな日です」

テコンドーの元トルコ代表選手チーデム・トプチュオールさん(46)と、その妻でやはり元テコンドー・トルコ代表選手(のちに審判、トレーナー)のチェティン・トプチュオールさん(54)は、ガザへ向かっう支援船に2人でアダナから参加したが、イスラエル兵の弾丸が、結婚して27年になるこの夫婦を切りさいた。

夫とともに支援船に乗り、そして夫の棺をのせた飛行機でアダナに戻ったチーデム・トプチュオールさんは、「私たちの血が、トルコ国旗の赤の一滴となりました。悲しくはありません。我々は逞しいのです。神が望むなら、息子と私は、続く船で、(夫と)同じ形でそこにいるでしょう」と語った。

母親のそばに寄り添うキックボクシング選手で21歳のアイテク・トプチュオールさんは、父親が(襲撃の)混乱の際に首に巻いていたトルコとパレスチナの旗の絵が描かれた血のついたショールを、その首から離さなかった。 トプチュオールさんの棺は、市内をまわった後、フズルエヴレリ地区にある家に運ばれた。霊柩車から下ろされた棺は、家の地下室におかれ、近親者は棺を開け、彼に最後の別れを告げた。

家での儀式の後、棺は、2万8千人が収容可能なサバンジュ中央モスクに運ばれた。チェティン・トプチュオールさんのためにアダナの各モスクで祈りがささげられ、1万人の人々が葬儀に参加した。葬儀には、チーデム・トプチュオールさん、息子のアイテク・トプチュオールさん、イルハン・アトゥシュ・アダナ県知事、ムスタファ・トゥンジェル・アダナ副市長のほか、市の主だった人々が参加した。アダナ県宗務長官のイブラヒム・ジャンボラト氏が葬儀の礼拝を執り行い、その後、トプチュオールさんの棺はカバサカル墓地に埋葬された。

■「泣かないでください、しっかりしましょう」

チーデム・トプチュオールさんと息子のアクテクさんは、群衆に微笑み、挨拶した。チーデム・トプチュオールさんは、泣いている女性のそばに行って、「泣かないでください、しっかりしましょう、殺した連中を喜ばせるのはやめましょう。今日は幸せな日です。」と言って慰めた。

■カイセリ:大学教員の父「息子は天国に」

イスラエルの部隊によって殺害された19歳のフルカン・ドアンさんの葬儀には、約2万人の人が参加した。エルジエス大学のアフメト・ドアン准教授は、息子の棺を撫でながら、「フルカンの死を誰も悲しみません。彼に誇りを思います。殉教したのだと考えています。彼は天国に行ったのです。」と述べた。

葬儀の間、「イスラエルに呪いあれ」、「テロリスト、イスラエル」といったスローガンが叫ばれた。フナト・モスクで行われた葬儀の礼拝には、メヴリュト・ビリンジ県知事、公正発展党(AKP)会派副代表ムスタファ・エリタシュ氏、ヤシャル・カライェル国会議員、アフメト・オクスズカヤ国会議員、メフメト・オズハセキ市長、エルジエス大学の教職員たち、私立ヒサルジュクルオール高校時代の級友、そして約2万人の人々が参加した。棺は、レシャディイェ地区にある墓地に、涙の中埋葬された。

■アメリカ大使館から弔辞

一方、アメリカ大使館がドアン家に2回電話をし、アメリカ国籍をもつフルカンさんのために、弔辞を送ったことが明らかにされた。

■スィイルト:肩に担がれ2キロの道

イスラエル部隊が殺害した61歳のイブラヒム・ビルゲンさんは、スィイルトで、2万人が参加した葬儀ののち、埋葬された。職場と家々にトルコとパレスチナの旗を掲げたスィイルトの人々は、イスラエルに抗議した。県の主だった人々たちが参加した葬儀に際し、ビルゲンさんの棺は人々の肩にのせられ、2キロ運ばれた。

■イズミル:最後の写真とともに最後の別れ

イズミルでは、涙と、イスラエルへの怒りのスローガン、そして神への賛辞が唱えられる中、イスラエル部隊が殺害した47歳のジェンギズ・ソンギュルさんが、天国へと見送られた。ソンギュルさんの亡くなった後に埋葬用の布にくるまれて撮られた写真が、さまざまな場所や人々の胸に掲げられた。神学部付属モスクで行われた葬儀には、市民と県の主だった人々が参加した。

■アドゥヤマン:路上で葬儀の礼拝

マーヴィ・マルマラ号襲撃で命を落としたファーリ・ヤルドゥズさんの棺は、アドゥヤマンで埋葬された。棺は祈りの言葉とスローガンとが叫ばれる中、モスクに運ばれ、葬儀には何千もの人々が参加した。葬儀の礼拝は、本来ならモスクの中庭で行われるところ、参加者のあまりの多さのため路上で行われた。棺は、礼拝の後、市の墓地に埋葬された。葬儀には、県の主だった人々や市民らが参加した。

■イスタンブル:「ただ写真をとっただけなのに」

『アナトリアの時』紙の特派員ジェヴデト・クルチュラルさんは、マーヴィ・マルマラ号で、イスラエル兵の行った襲撃の際、写真を取っている時に顔面を撃たれて殺された。ジェヴデト・クルチュラルさんはベヤズィト・モスクで、(天国への)最後の旅へと見送られた。夫の棺に覆いかぶさり泣いていたデルヤ・クルチュラルさんは、「ただ写真をとっただけなのに。武器はもっていなかった。アメリカの甘やかされた子供よ、私達を恐れるがいい。一人、人を殺したと喜んではいけない。あなたたちは、全ての人間の目を覚させたのだ。」と述べた。

ジェヴデト・クルチュラルさんの棺は、ベヤズィト・モスクでの金曜日の礼拝に続いて行われた葬儀の礼拝の後、エディルネカプ墓地に埋葬された。葬儀には、妻のデルヤさん、娘のギュルハンちゃん、息子のエルデムくん、父のヒュセインさんと母のハティージェ・クルチュラルさん、5人の兄弟、国務大臣のエゲメン・バウシュ議長、至福党(SP)のヌマン・クルトゥルムシュ党首、ヒュセイン・アヴニ・ムトゥル県知事、カーディル・トプバシュ市長、ヒュセイン・チャプカン・イスタンブル警察署長、そして市民らが参加した。葬儀の間、時に「イスラエルに呪いあれ」、「イスラエルは流した血で窒息する!」といったスローガンが叫ばれた。

■イスケンデルン:殉職者たちに2度の礼拝

イスラエル兵の船の攻撃で亡くなった、イスケンデルン人道支援協会のメンバーで、41歳のジェンギズ・アクユズさんの棺は、飛行機でハタイ空港へ運ばれ、そこからイスケンデルン郡に運ばれた。3人の子供の父であるジェンギズ・アクユズさんの棺と対面した群衆は、「アッラーは偉大なり」の声で迎え、イスラエルに呪いあれ」とスローガンを叫んだ。棺は、カプタン・パシャ・モスクでの礼拝の後、ベクベレ地区で埋葬された。
アクユズさんへの葬儀の礼拝の後、イスケンデルン海上支援部隊で殉職した6人の兵士のためにも合同で葬儀の礼拝が行われた。

■ディヤルバクル:5千人が参加

イスラエルの攻撃で亡くなった「明るい明日のための権利と自由-教育・文化・連帯協会」のアリ・ハイダル・ベンギ会長は、ディヤルバクルで、5千人が参加した葬儀ののち、埋葬された。葬儀では、トルコ語とクルド語のスローガンが叫ばれた。

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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:19334 )