イラクのクルド自治政府バルザーニー議長、平和民主党と不協和音
2010年06月05日付 Radikal 紙

バルザーニー議長は、アンカラで会談した平和民主党(BDP)の議員たちに「(トルコ)政府との協力は有益である。我々は(クルド問題の民主的)解決策に最後まで協力する」というメッセージを発した。これにBDPのデミルタシュ党首は反発している。「こうした発言はバルザーニー議長の個人的見解である」

イラク北部のクルド自治政府のマスード・バルザーニー議長は、平和民主党(BDP)に「トルコ政府との協力は有益である。解決策に最後まで協力する」というメッセージを発した。BDPのセラハッティン・デミルタシュ党首はこの発言から距離を置き、「こうした発言はバルザーニー議長の個人的見解である」と述べた。

バルザーニー議長はアンカラでの活動を昨日(4日)も続け、PKKによる2007年のダールジャ襲撃で連れ去られた8人のトルコ人兵士が民主市民党(DTP)議員に引渡された際にも同席したクルド政府のケリム・スィンジャリ内務大臣を含む代表団とともに、トルコ政府の「民主的解決計画」について学ぼうと努めた。国家諜報機構(MİT)で会談を行った代表団は、その後アラブ諸国の在アンカラ大使らと在アンカラ・イラク大使館で会合を行った。バルザーニー議長はこの会議で「我々は中央政府とあらゆる協力をする意思がある。イラクの経済成長のためトルコ政府とも共同で取り組む」と述べた一方、大使らから向けられた「マフムル・キャンプは閉鎖されるのか」という問いに「我々は誰にも新たな規則を強要していない。(キャンプを)空にすることを望む者はそうする。私たちが妨害することはない」と返答した。バルザーニー議長は最も大きな困難は「経済の停滞」であると強調し、これについてアメリカ政府から支援が得られないことにも不満をこぼした。

バルザーニー議長はその後セラハッティン・デミルタシュBDP党首、ベンギ・ユルドゥズ同党派副代表、解党された民主市民党(DTP)の政治活動禁止中のアフメト・チュルク元党首をアンカラで滞在したスイスホテルで迎えた。バルザーニー議長は会談で民主的解決策に関して「トルコ政府は誰も排除せず、対話で問題を解決しようと努めている。我々はこれを最後まで支援すべきである。この計画から害を受けることはない」と評価し、これに関してはトルコ当局者とより頻繁に会談することを望むと述べた。デミルタシュ党首は退出の際、「バルザーニー議長の見解は、彼個人の見解である。もちろん外国の政治家である彼は解決策について私たちほど知ることはできない」と話した。

■ 軍事作戦についても話した

この会談でBDPの議員たちは、DTPの解党、党員の拘束、地域での軍事作戦に関する不快感を表明した。一方バルザーニー議長は、トルコとの関係構築について喜びの意を説明した。バルザーニー議長は衝突に関しても、亡くなった人々への哀悼の意を表明し、「流血を停止するため皆が一層責任をもつことが必要である」と述べた。会談でチュルク元党首が「食事でおもてなししたいと思っていましたが、予定が許しませんでした」と述べると、バルザーニー議長は、「今後より頻繁に来るでしょう。よろしければ次の訪問の際にお会いしましょう」と述べた。

クルド自治政府のスィナン・チェレビ産業通商大臣とアスフティ・ハウラミ資源大臣も、(トルコの)ザフェル・チャーラヤン産業大臣と会談した。チャーラヤン大臣が7月に北イラクに代表団を送り、協力分野について調査を行うと明らかにした一方、トルコがイラクと「経済統合」に入った際北イラクを排除することはないと述べた。チャーラヤン大臣は、2003年の両国間の貿易額が9億4100万ドルであった一方、昨年の貿易額は経済危機にも関わらず61億ドルに増加したことを明らかにし、輸出増加率も31%であったと述べた。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:19337 )