ガザ支援船での死亡者の父親、アメリカへの不信を口にする
2010年06月06日付 Milliyet 紙

■フルカン・ドアン氏の父親:「息子はアメリカ国民だから安心して出発したのに」
イスラエルによるガザ支援船への攻撃で、犠牲になった高校3年のフルカン・ドアン氏の父親のアフメト・ドアン氏は、「息子はアメリカ国民だから安心して出発した。アメリカの態度は非常に遺憾に思う」と話した。
エルジエス大学経済経営学部で助教授として教鞭をとるアフメト・ドアン博士は、アメリカで生まれ、アメリカ国籍を持つ息子は、アメリカのパスポートだけを持っていた、と語った。
ドアン氏は、息子の遺体がトルコに到着した後、アメリカ大使館が電話をしてきたと話し、次のようにコメントした。
「アメリカ大使と領事がそれぞれ私に電話をくれ、お悔やみの言葉を述べてくれました。『何かご要望があれば、お知らせください』といってくれました。今後の為に何をするのか、具体的にどんな対応をするのかを私達に知らせ、今後の進展について報告してくれるように要望しました。現在まで返事はありません。
私の息子はアメリカ国民でした。二重国籍でありません。アメリカで生まれ、アメリカのパスポートだけを持っていました。アメリカはできることは全て実行するべきです。アメリカ政府が調査を開始するのを待っています。アメリカは、アメリカ国外で、アメリカ国民が関係した全ての事件において、調査を行う立場にあります。しかし私達の子供達に関して、何故に調査を始めないのですか?どうしてこの事件を追及しないのですか?この事件にどう決着をつけるのか、官僚があらゆることを行い、私達の子供が不当に殺害されたことを調査することを望みます、また私達の痛みを軽視しないでほしい。調査結果を待ちます。アメリカがイスラエルに責任を取らせることを期待します」

■「アメリカのパスポートに信頼を寄せていた」
ドアン氏は、息子はアメリカのパスポートを持ち、出発するときにアメリカ国民であることで安心していた、と語り次のように続けた。
「現地へ行く時に、『僕はアメリカ国民だから、僕に何も起こりはしない』と言い残して、安心して出発しました。完全にアメリカ国民であることに信頼していました。『僕はこのパスポートとともに行き、支援をするんだ』と考えていたのです。間違いなく人道支援を目的に出発したのにこんなことになろうとは夢にも思っていませんでした。息子はアメリカ国民だからと安心して出発した。アメリカの態度は非常に遺憾に思う。
支援船への最初の攻撃で、息子は命を落としたことを知ったというアフメト・ドアン氏は、「ターゲットはだれでもよかった可能性があります。襟章などありませんでした。あったのはパスポートだけでした。最初の攻撃で息子を含む数名が撃たれました。2度目の攻撃を合わせて5発の銃弾が発射されたことはこの攻撃がどれだけ残酷なものだったかを物語っています。私の息子は最初の攻撃があったとき甲板にいて犠牲になりました」

ドアン氏はアメリカ大使館に対し、絶対に調査を開始するよう要求し、次のように続けた。
「『事件について追及し、調査中です』と言っていました。何を調査していて、何故まだ捜査を始めないのかも理解できないでいます。捜査を開始してから、調査するものです。先に調査をしてあとから捜査するという理屈も理解できません。2級市民、3級市民などという扱いがあるのでしょうか?不安です。息子はとても信頼していました。アメリカが後ろ盾になっているといっていました。しかし、対応はされず、関心も持たれていません。アメリカの態度を待っています。数日で調査し返答するとの連絡はありましたが、未だに情報は入ってきません。もう少しは待つつもりです。何らかの法的手段があるなら、その形で対応していくでしょう」

アフメト・ドアン氏は、トルコ政府と関係機関はドアン氏らに十分に関心を示してくれ、必要な支援をしてくれていると語り、「後悔はありません。息子は立派に死にました。私達も殉教者の父となりました。良い進展へつながるでしょう。アメリカは今回のことについて捜査していようといまいと、息子や他の犠牲者は、今後の為に道を開くことになります」

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( 翻訳者:尾崎昂 )
( 記事ID:19343 )