ユダヤ教のラビたち、ガザ支援船の負傷者たちを見舞う
2010年06月06日付 Zaman 紙

反シオニズム運動(ナートレー・カルター)の代表を務める三人のラビが、ガザへ人道支援を行うために向かった支援船に対し、イスラエルが行った攻撃で負傷し、アタテュルク教育研究病院で治療を受けている負傷者らを見舞った。

見舞いに訪れたラビのイスラエル・ドヴィド・ウェイス氏、イツォック・シェウィンテル氏、ヨシェト・ローゼンベルグ氏に対し、アタテュルク教育研究病院の副院長ハシム・エルデム医師が付き添った。

負傷者にお大事にという思いを伝えたラビたちを代表して、ドヴィド・ウェイス氏は、ラビたちが攻撃を深く悲しみ、パレスチナとガザの人々の自由のために祈ったと述べた。ウェイス氏はすべてのユダヤ教徒を代表して見舞いを行ったと述べ、「我々は我々の思いをあなた方と分かち合うためにここに来ました。我々はイスラエルが行った攻撃に反対しており、あなた方の味方であることを示すために来たのです」と語った。

治療を受けている負傷者たちも、見舞いに喜びを示し、攻撃の際に彼等に起こったことをラビたちに話した。患者とラビたちの間の会話はエルデム副院長によって通訳された。

何人かの負傷者は、部屋に入ってきたラビたちにバラを送り、コロンヤとチョコレートを差し出した。これに対しラビたちを代表して話すウェイス氏は、本来なら自分たちが負傷者たちに何かを持って来るべきだったのにと恥ずかしく思ったと述べた。負傷者たちと抱擁して、彼らが感じた残念さを語ったということも注目された。

負傷者に、お大事にという思いを伝えたラビたちは、人道支援のための人々を標的にしたイスラエルの攻撃を、「海賊行為」と表現した。

見舞いの後にイスラエル・ドヴィド・ウェイス氏は、ラビを代表して病院の前で記者会見を行い、次のように話した。
「ユダヤ教はすべてのものに敬意を払う宗教であり、何千年も続いてきた信仰です。我々はかつて何百年もの間、アラブ人の国々の中で平和に何のトラブルもなく生きていました。我々に宗教的強迫観念はありません。シオニズムは最近、信仰から道を外し、ナショナリズムへ傾いています。

我々はいつか全世界の人々がひとつの土地に住み、個々の国々はなくなると信じています。盗んでまで、他の者の土地を取り上げることは我々の宗教では禁止されています。これは神の意に反する行いです」

パレスチナの人々が60年間不当に扱われ、これが宗教の名の下に行われてきたと述べたウェイス氏は、次のように会見を締めくくった。

「トルコは非常にすばらしい例を示した。国民全員がひとつになりガザに向けて道を開いた。我々はトルコの親切なもてなしと兄弟愛を忘れません。

イスラエルによって行われた攻撃を非難するため、また不当に扱われてきた人々の味方であることを示すために我々はここにいます。負傷した方々のため、イスラエルを平和に導くため、平和のために我々は祈ります。私たちは何百年も共に生きました、しかし今は、あるものがやって来て我々を敵にしたのです。我々は平和のなかで生きなくてはなりません。こうしたこと(攻撃)は我々を代表して行われていますが、その背後に我々はいません。これらはイスラエル政府がしたことであり、「ユダヤ教徒」がしたのではないのです。実際にもそして理屈の上からもガザとパレスチナの自由を我々は祈っています」

会見の後、ラビたちは警察に警護されながら、病院を後にした。

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( 翻訳者:清川智美 )
( 記事ID:19344 )