【社会部:キャターユーン・メスリー】3年前、科学技術省法律担当次官は大学にもネズミ講のネットワークが浸透しており、こうしたネットワークのメンバーとなった学生らの取り締まりについて、警告を発したことがあった。しかしにもかかわらず、現在に至るまでネズミ講の影響力は衰えをみせておらず、学生らはお金儲けに相変わらず関心を寄せている。実際、伝え聞くところによれば、我が国の最も優秀な学生ですら、ネズミ講の被害を免れてはいないのである。
「ネットワーク・マーケティング」とは、ネズミ講ネットワークに関わった経験のある者の多くにとって、よく知られたことばだ。網目のように張り巡らされたマーケティングを通じて利益を獲得し、下部会員を集めて、利益を分配する、というのが彼らのやり方である。
ここ数年、こうしたネットワークは大学のサークルや寮にまで浸透し、20歳から28歳までの若者をターゲットにしている。結果的に、学生らはこうしたネットワークの会員になる傾向が強いという。
一部のニュースサイトの報告によると、大学生は年齢が若いこともあり、市場や詐欺の実態についての認識が甘く、また和気あいあいとした雰囲気のサークルに参加し、多くの場合友人たちを信頼しているために、〔こうしたサークルや友人に浸透した〕ネズミ講の宣伝の影響下に置かれやすいという。
〔アフマディーネジャード系ニュースサイトである〕ラジャー・ニューズは、「ゴールドクエスト、ATI、パーリーヌーズ、スイス・キャッシュなどのネズミ講の末端の多くが大学生や寮生らから顧客を獲得している。彼らは学生相手に、いわば『プレゼン』をして〔、顧客の勧誘をして〕いるのである」と指摘している。
経済状態がネズミ講に加わる動機に
社会学者のセイエド・ジャヴァード・アーラーミーは、ネズミ講ネットワークの会員になる人の多くが、経済的な目的のために〔ネズミ講に〕手を出していると指摘し、次のように述べている。「多くの場合、事務員やタクシーの運転手など、社会的地位や影響力の低い人たちが、こうした〔ネズミ講の〕サークルに入りやすい傾向にある」。
同氏によると、〔‥‥勧誘に対して〕「ノー」と言えないような人が、最終的にためらいながらも、このネズミ講の流れに引き込まれてしまうという。
このように、「手早くお金儲け」、「娯楽」、「時間つぶし」、「友人の勧誘」などが、若者、特に大学生がネズミ講に引き寄せられ、彼らが悪用されるときの主な要因となっているのである。
〔後略〕
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( 翻訳者:加藤祐大 )
( 記事ID:19356 )