シヴァス襲撃事件の舞台マドゥマク・ホテルの政府買い上げ、ついに実現
2010年06月18日付 Milliyet 紙


●37人の知識人が焼かれた、シヴァス県のマドゥマク・ホテルの政府買い上げが実現した。今後ホテルは図書館になり、館内には虐殺についての記念コーナーが設けられる。

政府が1年以上に渡って研究集会を通じて続けてきたアレヴィー問題の解決策において、初の具体策が、37人の知識人が殺害されたマドゥマク・ホテルに対して講じられる。ファルク・チェリキ国務大臣は、マドゥマク・ホテルの450万リラの政府買上げ代金が特別政府口座に振り込まれたことを発表した。マドゥマクは、虐殺事件を伝える記念コーナーを持つ図書館に生まれ変わることが計画されている。

政府がアレヴィー問題の民主的解決の一環において開催したアレヴィー集会が終了し、必修の宗教科目とジェムエヴィ(アレヴィー派の礼拝所)問題について設立された2つの委員会が始動した。チェリキ大臣は、ジェムエヴィの法的立場の審議のため設立された委員会の初会議でスピーチを行い、アレヴィー集会の結果、アレヴィー派の要望について重要な地点に来ていると述べ、次のことを発表した。

●政府買い上げが行われた
「マドゥマク・ホテルの国有化が決定した。マドゥマク・ホテルの政府買上げ代金が、今日(木曜日)より、特別政府口座に振り込まれた。政府買い上げ額は450万リラである。また、ホテルはもちろん新しい形をとることになる。これに関しても、追加予算が割かれる。ホテル所有者からは、買い上げの提示額が少ないと異論が出ている。今後のプロセスでは、政府は司法に訴えこの異論が不当であることを主張するつもりだ。裁判所は3ヶ月以内に敷地の価格について決定するだろう。マドゥマク・ホテルの再建設には、国有化と合わせて650万リラの経費が掛かる見込みだ。我々は約束を果たせることに幸せを感じている。今後、マドゥマク・ホテルのような場所は衝突の地ではなく教訓の地として受け入れられていく。そして我々はシヴァスに被害を与えたあのような手段から離別する。我々はこの人類の恥辱を忘れず、風化させず、未来において人々が団結と平安の中にいることを信じて、この取組みを実現させた。」

●博物館になる計画は棚上げに
シヴァス襲撃事件の舞台となったマドゥマク・ホテルがどのように利用されていくかについては、様々な意見が出されていた。 アレヴィー集会は、解決プロセスにおいてマドゥマク・ホテルが「記念館」または博物館になるという方向で要望を出していた。アレヴィー集会がその後用意した事前報告書では、ここにつくられる博物館が緊張を生み出す可能性があるとして、公園にする案が主張された。しかし、公園建設案にはマドゥマク・ホテルの事件で近親者を失った遺族が反対していた。
この反対を受けて公園案が見送られる中、チェリキ大臣が「あそこは図書館になる。しかしその傍には34人の名前を記し、あの事件を憎む文辞を展示する記念コーナーが設けられる」と発言した。

(原文写真下)1993年7月2日、マドゥマク・ホテルが放火され、37人の知識人が焼かれ死んだ。

●「我々の意見があったなら…」
チェリキ大臣は、ジェムエヴィの立場について協議する委員会の委員長をイブラヒム・オクル法務次官補佐が務め、委員会にはヒュセイン・ハテミ博士教授、ナームク・ソフオール弁護士、メティン・タルハン弁護士、そして法務省法令総局のケナン・オズデミル局長が加わることを明らかにした。チェリキ大臣は、ジェムエヴィに法的立場が与えられることについての自身の意見を問われると、「これに関して我々の意見があったなら、この委員会を招集する必要はなかった」と答えた。

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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:19456 )