ガザ封鎖緩和の決議に対し、ハマース「無意味」
2010年06月17日付 al-Quds al-Arabi 紙

■イスラエル政府がガザ封鎖緩和を決定。ハマースは決議を無意味と発表。

2010年6月17日付『クドゥス・アラビー』(イギリス)HP1面

【テルアビブ】


 イスラエル政府は木曜日、治安のためガザ地区に課していた陸路の封鎖を緩和するいくつかの方策を決定した。一方、海域封鎖は今まで通り継続する。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を議長とする治安と政治に関する縮小閣議で、ガザ地区への搬入を許可する生活必需品のリストを拡大することを決定した。この中には国際機関の監督下にある市民プロジェクトの実施に必要な物資も含まれている。

 イスラエル放送は、その一方で武器や戦闘に使われる可能性のある物資のガザ地区への搬入を禁止する現行の治安措置は継続されると発表した。また、縮小閣議の決議は、イスラエル兵捕虜ギラード・シャリット釈放に向け国際社会が最大限努力することをイスラエルは期待していると明言した。この陸路における緩和策実施に向けた特別決議を採決するために、近く再び会議を開くことが決定されている。

 イスラエルはシャリットが拉致された2006年以降ガザ地区を封鎖していたが、2007年6月ハマースがガザ地区を掌握してからは封鎖をさらに強めていた。

 これに対してハマースは、ガザ地区に搬入できる品の種類や量を増やすというイスラエルの決定は無意味だとして拒否した。ハマースは公式声明を出し、イスラエルの決定は封鎖を正当化しその悪行を保障するものだと述べた。また封鎖の緩和によってイスラエルがやるべきことをやったという印象を与えることで、誤った国際世論を導くとも述べた。

 パレスチナとしての要求は、ガザ周辺の全通行所の開放、運輸や個人の通行の自由を保障し、ガザ地区に必要な全ての物資を搬入することにより、あらゆる形態の封鎖を完全に解除することだとハマースは主張、全ての封鎖を打破するまで支援と連帯の努力を継続するよう国際社会に求めた。

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( 翻訳者:中島希 )
( 記事ID:19470 )