イスタンブル・ハルカルで兵士をのせた送迎バスに爆弾テロ、5名死亡
2010年06月22日付 Radikal 紙
イスタンブル県ハルカルで午前7時30分ごろ、兵士を乗せた一般のバスが兵士宿舎付近を通過した際に爆発が起こり、子供1人を含む5人が命を落とした。
ハルカルのアタケント共同墓地付近で軍関係者を乗せた3台の送迎バスが通過した際に爆発が起こった。爆破攻撃は次のようにして発生した:2台のバスと1台のミニバスからなる車列は、イスタンブル県軍警察司令部の軍人を職場へ運ぶためにハルカルの軍宿舎を出発した。車列は、ヨーロッパ横断(TEM)自動車道に接続する道でアタケント共同墓地付近を通過する際、遠隔操作されたクラスター爆弾が爆発した。テロリストが爆発性物質を圧力鍋に入れ、バスが通過する際に無線を使用して爆発させたと発表されている。
■ 学校に向かうためにバスに乗っていた
この爆発で1台のバスに大きな被害が出た。このバスは全ての窓が割れ、一部は大破して周囲に散乱し、爆発現場から約20メートル先で停止した。車列のもう2台も被害を受けた。この爆発でベキル・チチェキ曹長、チャーラル・ビョリュク軍警察上級軍曹とウウル・エキル軍警察上級軍曹が犠牲になった。さらに軍人の娘のブセ・サルヤーさん(17)も亡くなった。サルヤーさんは学校に向かうため父親と一緒にバスに乗っていた。この事件で命を落とした方々のうち、ウウル・エケル軍警察上級軍曹は既婚で、7歳と14歳になる2児の父であり、親類の結婚式のために明日(23日)休暇をとる予定だったことが判明した。この爆発事件で、重傷者2人を含む計15人が負傷した。手術を受けた負傷者の容態は重く、重体であることがわかった。実際のところ、数時間後にTEM病院で治療を受けていたドゥラン・バイラム上級曹長も治療の甲斐なく亡くなったとの知らせが入った。これで事件の犠牲者の数は5人に上った。この事件は道端に置かれたクラスター爆弾が、遠隔操作によって爆発させられたために起こったことが明らかになった。
■ 青シャツの人物
爆発で大きな被害を受けたバスの車両司令官は、事件現場から逃げ去った青いシャツの人物を目撃し、空砲を撃ち、この人物が事件の犯人か、あるいは恐れたために逃げた市民かどうかはわからなかったと述べたことが判明した。事件現場周辺で広域警戒態勢をとり、爆発現場周辺を通行止めにした治安部隊は、周辺で証拠集めの作業を進めている。
■ “TAK”が犯行声明
「クルド解放のタカ(TAK)」は今朝軍の送迎バスを狙って5人の犠牲者を出した爆破事件を起こしたとの声明を出した。PKK(クルディスタン労働者党)と近い関係を持つことで知られる「クルド解放のタカ」は、道路に爆弾を設置したことを認め、民間人は軍の標的から離れているように警告したという。
■ 運転手は爆発事件について語った
一方、軍関係者を乗せたバスの運転手のネシャト・イェニさんは事件について次のように説明した。「7時10分ごろセカンドギアで走行中でした。バスの中で突然爆発が起こりました。私はけが人を救出しました。10人のけが人を助け出したと記憶しています。バスの中ほどには17歳の女の子が座っていました。彼女の容態は重く、後で亡くなったことを知りました。バスには30~35名が乗っていました。6ヶ月間このコースを巡回しています。この爆破事件の後バスの司令官は何度か空に向けて発砲しました。助けを呼んでいたのです。」
■ バシュブー参謀本部長は事件現場へ
爆破事件後ヒュセイン・アヴニ・ムトゥル・イスタンブル県知事、ヒュセイン・チャプクン・イスタンブル警察署長とアイクト・ジェンギズ・エンギン・イスタンブル共和国主席検事が事件現場を訪れて事件に関して情報収集しつつ会見を行った。イルケル・バシュブー参謀本部長は、チャナッカレからイスタンブルに戻った。バシュブー参謀本部長はハルカルでの爆破事件後、死傷者がいるメフメト・アキフ・エルソイ心肺・血管外科教育研究病院を訪れた。負傷者を見舞い、犠牲者の親族にお悔やみの言葉を述べたバシュブー参謀本部長は、約45分間病院内にいた。バシュブー参謀本部長は、その後に事件現場に向かった。しばらく事件現場を視察し話をきいた。バシュブー参謀本部長は、会見を行わずに立ち去った。
■ ムトゥル県知事「遠隔爆弾が使われた」
ヒュセイン・アヴニ・ムトゥル・イスタンブル県知事は、今回の行為はテロ攻撃であり、攻撃に遠隔操作されたクラスター爆弾が使用されたと述べた。ムトゥル県知事の発言は次のとおり:「送迎バスを狙った爆発事件が発生した。この爆発事件の結果、軍警察上級軍曹2名、17歳の少女1名の計3人が犠牲となった。2人の重傷者がおり、治療が続けられている。送迎バスに乗っていた軍人のうち4人の軽傷者は治療を終えた。事件に関して治安部隊が捜査を続けている。我々が得た最初の情報によると、遠隔操作されたクラスター爆弾が道端に仕掛けられ、その爆弾が爆発させられたことで今回の事態が起こった。
■ 現在のところ拘束者はいない
これはテロ攻撃である。テロの目的は明白だ。不安をもたらし、動揺させることだ。これに関してもちろん犯人を逮捕するという点では、治安部隊が捜査を続ける。国民の皆様にお悔やみ申し上げる。テロはこの国に涙、不安や苦痛を与えたにすぎない。この他に得られるものは何もない。われわれ国民は常識のある政府や治安部隊の側に立ち、事態を見守るだろう。現在、攻撃の実行者で拘束されたものはいない。テロが望んでいた不安、動揺や分離に対し、イスタンブルとして立派な態度をとる。これは3台の車列で、最後の送迎バスに攻撃が起こった。」
■ 6月8日にも攻撃があった
6月8日には機動隊担当局所属の送迎バスがハルカルのベズィルガンバシュ地区にあるメフメト・アクフ・エルソイ病院の前を通過した際、爆破攻撃が起こっていた。この爆発で15人が負傷していた。2つの事件の間につながりがある可能性が検討されている。
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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:19480 )