イスラエル当局、東エルサレム併合につながるエルサレム開発計画を発表
2010年06月29日付 al-Hayat 紙
■ エルサレムの全入植地域を対象として建設拡大を進める骨格案が浮上
2010年06月29日付『アル=ハヤート』紙(イギリス)HPアラブ国際面
【ナザレ:アスアド・タルハミー】
火曜日[7月6日]にアメリカのバラク・オバマ米大統領との会談を行うためのイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の訪米を1週間後に控えて、エルサレム市のイスラエル側当局の計画・建設委員会は「統一エルサレム(計画・建設のための)骨格案」を承認する方針だ。これは1967年の東エルサレム占領以来、最大規模となる。
この新しい骨格案は1959年(東エルサレム占領以前)の旧骨格案に代わるもので、パレスチナ自治区内に設けられた入植地域を全て対象として拡大を認め、パレスチナ人に建設が許される領域の面積を縮小するものである。
『ハアレツ』紙によれば、この骨格案の承認により「東エルサレムを一方的にイスラエルに組み込む計画に正統性が付与される」というが、東エルサレムでのユダヤ人向け建設予定地の大部分はアラブの私的所有地であり、占領当局は入植地拡大を目的として占領下エルサレムの土地をさらに接収することになるという。新骨格案に対しては60日以内に異議申し立てが認められているが、計画作成の本質的な技術ミスが発生した場合を除いては異議が計画修正につながることは稀なので、今回の骨格案の承認は、公式な承認までの最終段階だと言えよう。
占領下エルサレムでの入植活動を監視してきたイスラエルの左派団体「イール・アミーム」の指摘によれば新骨格案は、エルサレム市街のパレスチナ人住民が住宅の建築を必要としている事実を反映していないという。骨格案は2030年までに住宅13,500戸の建設しか住民に許しておらず、「最新の人口統計調査の推測によれば、この数字はパレスチナ人が必要とする住宅の半分にも満たない」。また同団体は、「新骨格案は[パレスチナ住民に対して]東エルサレムの北部と南部にしか建設を許しておらず、エルサレム市街中心地(聖地群)での建設は一切承認されないだろう」と補足している。さらに同団体によれば新骨格案は、建築計画の承認を申請するパレスチナ人に対して計画作成上・行政手続き上での様々な妨害を設けるものだという。
一方、この先の数年間にユダヤ人に建設が許可される住宅の大半は、1967年に占領されたパレスチナの土地、所謂「グリーン・ラインの向こう側」に建設されるという。「イール・アミーム」は、「今回の骨格案が承認されれば、計画作成段階ではあるが実質的に東エルサレムがイスラエルに編入されることになるので」、新骨格案は世界的な非難を浴びるだろうと予想している。
(後略)
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