トルコでは、アンタリヤで最初に発生し野菜の生産を脅かす、トマトに寄生する「トゥタ・アブソルタ」の被害に対し、早急な対策が求められている。農業関係者は、屋外でのトマト生産が壊滅する危険性が予測されると主張し、冬にトマトの値段が急騰するだろうと警告した。
アンタリヤ地方での「トゥタ・アブソルタ」の被害は、2009年12月24日にカシュ県のクニク郡で最初に確認され、その後急速に多くの郡へ広まり、高原の屋外で栽培されていたトマトに被害を与えた。最近では先週、ブルドゥル県とアフヨンカラヒサル県のジャガイモ畑で被害が確認された。これを受け、アンタリヤ商工会議所に農業関係者が集まった。農業関係者は、トマト蛾として知られている「トゥタ・アブソルタ」の対策のための行程表が作成されることを求め、これに関し農業村務省が行動を起こすことを期待している。
アンタリヤ商工会議所の農業委員会のムスタファ・キュチュクオール委員長は、新型インフルエンザの流行のように急速に広がること可能性があると述べた。対策がとられなければ、この被害のためにトマトの価格が30%上昇し、冬にはさらに上昇するだろうと述べ、輸出が完全に止まってしまい、どの国にも輸出できないと語った。
■2種類の虫を生産
「トゥタ・アブソルタ」の被害をなくす「トリホグラマ」と「マクロロフス」という名の虫の生産がアンタリヤで始まる。被害は急速に広がり、その拡大を止められないでいるが、これに対し、オンジャビオ社はスペインで使われている生物学的対処として成功した2種類の虫をアンタリヤで生産するよう農業村務省に申請した。省からの承認が得られれば、オンジャビオ社は社内の研究室でこの2種類の虫を生産する。
トマト農家のアリ・エセンさんは、農薬を極力使わず、ハチを使ってトマトを受粉させるのをあきらめざるをえないとし、「ホルモン農薬使用に戻すべきで、農薬によって害虫は排除される」と語った。
農業技術者のジャンス・ギョルオール氏は、一部の農家がこの被害を理由に再びホルモン農薬の使用の議論を持ち出していることを真剣にとりあげる必要はないとし、ホルモン農薬は、その生産、輸出入が禁止されており、(再び使用を認めたなら)ホルモン農薬を使用していたころの残存農薬に対する対策が無駄になってしまうとを述べた。
■トゥタ・アブソルタとは
トゥタ・アブソルタは、南アメリカ原産の害虫として知られている。トマトに最も被害を与える。2007年にはスペインで、1年後にはモロッコとアルジェリアで被害が確認された。2008年は南フランスとイタリア、チュニジアでトマトの被害が確認され、2009年からはトルコ国内でも確認された。1匹のメスは、250~260個の卵を産む。
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( 翻訳者:丸山 礼 )
( 記事ID:19547 )