麻薬常習者は今後「犯罪者」に:麻薬対策法改正案、承認される
2010年07月05日付 Jam-e Jam 紙

【社会部:マンスーレ・バラーダラーン=ナスィーリー】公益判別評議会は土曜日、1376年〔西暦1997年〕に可決された麻薬対策改正法の改正案を審議し、・麻薬の常習は犯罪であること、・麻薬を携帯したり、国から密輸した者は5~15年間、国外への渡航が禁じられること、などを承認した。

 こうした改正案が実現した背景には、70年代〔西暦1990年代〕中頃から、麻薬常習者を病気と呼ぶことによって、麻薬濫用の抑制・治療プロセスの改善が目指されていたことが挙げられる。

 現在でも、この問題に対する見方は多様で、麻薬の密輸業者・販売業者・流通業者など、麻薬常習の原因を作っている者たちは犯罪者であるが、麻薬常習者自身は司法の観点からではなく、むしろ病人として治療の対象となるべきだと考えている人々もいれば、反対にイランでの麻薬消費を抑制するためには、麻薬の使用者を犯罪者とみなすことも必要だ、と考える人々もいる。

 しばらく前、テヘラン次席検事は〔従来の〕見地を擁護して、次のように述べたことがあった。「司法の見地から言えば、麻薬常習者は犯罪者であるが、しかし社会にいる麻薬常習者を保護して、〔街角から施設に〕収容させる責任を追っているのは、福祉庁である」。

 マフムード・サーラールキヤー次席検事はさらに、「残念ながら、今まで福祉庁はこの役割について、あまりはかばかしい成果は挙げてこなかったようだ」と付け加えつつ、「刑務所よりもむしろ、更生施設に常習者たちを送り、保護することの方が、この種の人々の矯正や治療にはずっと効果的である。それゆえ今後、こうした更生施設の拡充を図る必要があるだろう」と強調していた。

 こうしたことから現在、公益判別評議会は麻薬対策改正法改正案の審議の結果、麻薬常習者たちに対し、認可を受けた国営・民間の施設、ないしは麻薬中毒の治療・軽減を目的に運営されている市民団体を訪れ、そこで麻薬中毒の治療を行うことを義務付けることを決定している。

 今回承認された改正案には、次のようにある。「上記施設を訪れて治療を受け、その上で治療下にあることや中毒症状が軽減していること示す証明書を受け取った麻薬常習者は、中毒症状が発現していないことを条件に、刑事訴追を免れる。しかし、治療を受けたり、麻薬の常用を止めようとしない常習者は、犯罪者として扱われる」。

〔後略〕

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( 翻訳者:小野大器 )
( 記事ID:19652 )