イスラエルは米国との首脳会談に満足、パレスチナ側は「合図」待ち。
2010年07月08日付 al-Hayat 紙

■イスラエル、米国との首脳会談に満足感
■アッバース議長、国境と安全保障の問題について「合図」待ち

2010年07月08日付『アル=ハヤート』紙(イギリス)HP1面

【ワシントン、ナザレ、ラーマッラー:本紙】

 一昨日ホワイトハウスで行われたバラク・オバマ米大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との首脳会談は、パレスチナ人との直接和平交渉への道筋を示し、イスラエルの「核のあいまい政策」を支持するものとなったことから、イスラエル側を満足させるものとなったが、しかし同時にパレスチナ政府を憤慨させる結果ともなった。アッバース議長は直接交渉に移ることを受け入れる以前に、安全保障と国境の問題についてイスラエル側の「合図」を待つと明言した。これに対しイスラエルのエフード・バラク国防相は、数週間のうちに直接和平交渉を再開するよう期待していると語った。一方米国にとって今回の首脳会談は、特に11月の米連邦議会の中間選挙が近づき、ユダヤ人ロビー団体による民主党への支持を得る必要性をオバマ政権が認識していることから、同政権の内政上の打算と中東和平プロセスの展望といった2つの目的を実現するものとなった。

 米高官がワシントンで本紙に語ったところによると、特にオバマ大統領がネタニヤフ首相に対し、パレスチナ西岸での信頼を醸成するような措置を採り、和平交渉に対する真剣さを確信させてもらたいとするアッバース議長の要請を伝えたことから、今回の首脳会談が「和平プロセスを前進させるもの」となったという。同高官は、この措置は今後数週間のうちに実施に移されることになるが、それは治安分野におけるパレスチナ自治政府の権限拡大、経済の活性化推進、イスラエル側の真剣さを反映する形で間接交渉をより一層活発化すること、ならびに入植政策や安全保障上の危機を回避といった形で行われるだろうと述べた。

 一方パレスチナ自治政府は、9月に入植凍結期限が終了する前に直接和平交渉に移行せよとするオバマ大統領の呼びかけに不満を表明した。AFPが伝えたところによれば、アッバース議長は、エチオピアを訪問した際に次のように語ったという。「国境と安全保障という2つの課題につき、イスラエル側から合図を得たならば、我々も直接的な話し合いに参加する用意がある」。「我々は米国とイスラエルに提案を示した。あとはイスラエルから返答を待つだけだ」。またサーイブ・ウライカート交渉局長は「直接交渉の鍵はネタニヤフが握っている・・・完全な入植凍結と2008年12月から頓挫している最終地位交渉を再開すると発表されれば、我々も直接和平交渉に乗り出すだろう」と述べた。

 これに対しハマースはイスラエルとの交渉再開をパレスチナ人の権利に対する「重大な罪だ」とみなし、交渉再開はイスラエルの犯罪を覆い隠すだけでなく、それに加担することになる、との見解を示した。


(後略)

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( 翻訳者:中島希 )
( 記事ID:19666 )