イスラエル・ユルドゥズさん、名前変更を裁判所に申請
2010年07月12日付 Zaman 紙

ガザ地区へ人道的支援物資を運搬していた船に対し、イスラエルが攻撃したことを受け、49歳のイスラエル・ユルドュズさんは、自身の名前を変えようと裁判所に申請した。

サカルヤ県アクヤズ郡に暮らす大工ユルドュズさんは、自身の名前を変えるためアクヤズ第一審裁判所に申請した。

ユルドュズさんはアナトリア通信の質問に答え、自分の名前によって子どものときから不快な思いをしてきたと述べ、そのため名前を「イスラフィル(註1)」に変えるために裁判所に申請を行ったと話した。

ユルドュズさんは、名前は祖父によって名づけられたもので、名前変更の訴訟を起こす場合には、病気の父親を伴って裁判に出向くことになるので、何年もの間名前を変えずにいたと語った。

ユルドュズさんの職業は大工であり、同僚は自分を呼ぶ際に「イスラエル」の代わりに「イスラフィル」という名を使うという。

ユルドュズさんによるとこの名前は自身の家族も困らせており、「私には妻と4人の子どもたち、そして3人の孫がいる。妻と子どもまでも私に対し名前を変えるようプレッシャーをかける。妻子の友人らは彼らに『お前のお父さんの名前はなんでイスラエルなの?』と聞く始末だ」と話す。

ユルドュズさんは、イスラエルという名が預言者の名前(註2)であることを指摘した上で、「最近イスラエル政府に対して行われているデモでは、『イスラエルをつぶせ』『殺人者イスラエル』といったポスターやスローガンが掲げられている。それらを見たり聞いたりする度に、まるでそうした批判が自分に向けられているように感じ、パレスチナの人々に非道な行為を行ったのが自分であるかのように申し訳なくなる。マービ・マルマラ号に対して行われた攻撃の後、(名前の変更を)断固として決心し、名前を変えるために裁判所に申請を行った。トルコ共和国政府により発行される身分証明書に『イスラエル』という名が記入されることがないよう、決定を下してくれることを望んでいる」と述べた。

ユルドュズさんは、裁判所は1回の審理で名前を「イスラフィル」と変更してくれると信じていると話し、一方、自動車運転免許、所得証明書といったいくつかの書類ではさらに手続きが必要だろうと語った。

訳者註1:イスラフィルとは天使の名前である。
  註2:ヤアクーブ(ヤコブ)の別名がイスラエルである。

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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:19670 )