トルコからの難民、行き先は日本―2010年OECD移民レポート発表
2010年07月12日付 Radikal 紙

避難亡命先として日本を希望する人が多い国として、ミャンマーに次いでトルコが第2位となった。

トルコ人難民亡命者は特に1980年代、投獄の恐怖や、拷問、または人権無視といった理由で、北欧をはじめヨーロッパに希望の道を託してきたが、今では新たな行き先に日本を加えた。経済協力開発機構(OECD)の最新の移民レポートによれば、日本への難民亡命申請希望者が最も多い国は、順にミャンマー、トルコ、スリランカとなった。トルコは難民亡命先ともなっており、在外トルコ人やアルメニア人をはじめとした様々な国籍の人が不法難民として働いており、密入国あっせんが頻繁に行われているとされるが、トルコには難民に関連する十分なデータが存在しないことが明らかになった。

トルコは密輸で62億ドル(約5470億円)の外貨を得ていると伝えられる中で、トルコ国内には13,000人の難民が存在することがわかった。レポートによれば2008年には約7000人のトルコ人がヨーロッパに難民申請を行い、在留許可を持つ移民の数は2006年には191,000人に上った一方、2008年には175,000人に減少した。

OECDは「2010年国際移民レポート」を発表した。レポートのトルコに関する部分には、トルコでの移民統計に関する情報は乏しいと記載された。「トルコへの出入国に関して直接的で信頼できるデータは存在しない」とされている。

■ ノルウェーのフィヨルドから日本の富士山へ:トルコ人難民の新たな行き先

レポートには、2007~2008年以降OECD加盟国がどの国の人々から最も多く難民要請を受けたかに関する記述もあった。これによると日本への難民申請希望者が最も多い国は、順にミャンマー、トルコ、スリランカとなった。これらのデータによると2008年には979人のミャンマー人、156人のトルコ人、90人のスリランカ人が日本に難民申請を行った。日本に難民申請を行った他の国々は次の通り:エチオピア、イラン、パキスタン、バングラデシュ、カメルーン、ネパール、中国、インド、ウガンダ、コンゴ民主共和国、ナイジェリア、コロンビア。2008年、日本には1599人の難民申請があった。トルコ人難民の日本への関心は2000年に急に高まった。2000年には40人、2001年には123人の難民が行き先を日本にした。

チェコ共和国への難民亡命を希望した上位3カ国はウクライナ、トルコ、モンゴルであった。ドイツへの難民申請が最も多かった国々はイラク、セルビア、トルコの順になった。トルコへの難民申請が最も多かった国々はイラク、アフガニスタン、イランであった。

■ トルコ人労働者は中東やCISに向かっている

同レポートでは次のような情報が示されている。

・政府機関を通しての正式な労働移民に関する情報は、労働社会保障省から提供された。トルコ労働組合によって2008年に期限付の労働契約を結んでトルコ国外に向かった労働者数は、前々年の75000人、前年の80000人から57000人へと減少した。トルコ人労働者を受け入れる2つの主な地域は中東(25000人)と独立国家共同体(CIS、19500人)であった。これらの数値は家族の呼び寄せ、結婚や難民といった理由による出国は含まない。
・2008年にトルコでの在留許可を持つ移民の数は約17万5000人であった。その数値は2003年には14万7000人、2004年には14万8000人、2005年には16万9000人、2006年には19万1000人、2007年には17万4000人とされている。2006年から2007年にかけその数値が急減していることは注目に値する。
・トルコでの在留許可を持つ移民を出身国によって区分すると、2008年は次の通りになる:ブルガリア(26,200人)、アゼルバイジャン(15,900人)、ロシア連邦(11,400人)、ドイツ(9900人)、イラク(8900人)、イギリス(8300人)、アフガニスタン(6600人)、カザフスタン(6200人)、アメリカ合衆国(6000人)、ギリシャ(5400人)、イラン(5400人)、ウクライナ(4400人)、中国(3800人)、トルクメニスタン(3600人)、モルドバ(3400人)、その他(49500人)-合計17万5千人
・トルコへの移民の大部分は、トルコ語を話す近隣諸国の人々から構成される。さらに大部分が不法労働者、通過移民や難民要請を却下された人々から成る不法移民の流入が見られる。トルコに来た通過移民の主な出身地は中東(イラン、イラク、アフガニスタン)やアジア、アフリカである。2008年にトルコでは約66,000人の不法移民が逮捕された。

■ ヨーロッパへの避難亡命希望者は増加の一途

OECD移民レポートでは2008年にトルコからヨーロッパへの避難亡命希望者は、増加の一途をたどっていることが明らかになったが、「避難亡命目的でヨーロッパに渡りたがっているトルコ人の数は、前年と同程度(7000人)であっても、第三国国籍の人からの申請数(大部分はイラク、イラン、アフガニスタン)は増加している。トルコでの難民亡命申請は12891件に達した。2642件の難民亡命申請が行われたアフガニスタンと647人の申請が行われたソマリアの他に、イラク出身の難民による申請数も非常に増加した」と記載された。イラクからの難民申請が全体の半分を占めることが明らかになった。

■ ハブル国境門(イラクとの国境門)にシェンゲン協定の基準を

同レポートでは、「トルコは、難民政策をアキ・コミュノテール(EUにおける法の総体系)に合わせるための第一歩を踏み出した。国境検問をシェンゲン協定の基準に合うよう修正している」と記載された。レポートでは別に、トルコからの移住者やその子どものうち、ドイツ国籍の獲得者数は特にここ数年続けて減少したと言及されている。
・トルコは密輸で62億ドルを稼いだ
同レポートでは「密輸」にも言及されており、「国外労働者のトルコへの送金額は2008年には再び約10%増加して13億2千万ドル(約1165億ドル)に達した。さらにトルコへの移民が行った『密輸』は62億ドルで、外貨流入の大きな部分を占め続けている」と記載された。

■ 移民局や難民事務所が設立されたことは進歩

同レポートでは、2008年に内務省内に移民局と難民事務所が設立されたと明記され、「これらの組織は、限られた財源であるにせよ、実際運用されるということは、トルコがEU基準の国際移民および難民政策への一体化を目指して、外国人法や難民法に関し、前進したという意味を持つ」と記載されている。
トルコに関して、不十分ではあるが集められた移民統計の一部は次の通り:
・「ヨーロッパでは、難民亡命は2000年から現在まで、ヨーロッパ大陸の境界にある国、すなわちギリシャ、イタリア、ポーランドやトルコといった国々で最も増加した。
・トルコへの外国人移民の数は増加した。トルコでは1995年には1000人中1.3人を外国人移民が占めていたが、2000~2007年には1000人中2.4人、2008年には1000人中2.3人を占めた。1997~2002年の平均では1000人中2.2人、2003~2008年の平均では1000人中2.3人を占めた。
・2008年以降トルコに最も多く移民を輩出した上位10カ国は次のように順番になった:ブルガリア、アゼルバイジャン、ロシア連邦、ドイツ、イラク、イギリス、アフガニスタン、カザフスタン、アメリカ合衆国、ギリシャ
・2008年以降トルコでは12981人の難民が存在した。人口1000人あたりに難民の占める割合は1995年には0.1人で、2007年までは同じであった。2008年には難民の占める割合は1000人中0.2人であるという。

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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:19681 )