イスラエル当局、リビアの支援船「アマル」号のガザ入港を阻止する方針
2010年07月12日付 Al-Nahar 紙

■ 「アマル[希望]」号の針路は不明、イスラエルはエジプトへ変更させるべく圧力

2010年07月12日付『アル=ナハール』紙(レバノン)HP1面

【ロイター、AFP、MENA】

 イスラエルは昨日、ガザ地区海上封鎖を打破しようとするいかなる新たな試みに対しても、外交的手段により、あるいは武力を用いてでも阻止する方針を表明した。現在、リビアのカッザーフィー開発財団がチャーターした支援船「アマル[希望]」号がガザ地区への航行を試みている最中である。

 モルドヴァ船籍旗を掲げた同船はギリシャを出発して航行中だが、イスラエルはその針路をエジプトへ変更させようと集中的な外交努力を展開しており、もしもガザへの航行を続けた場合にはこれを阻止すると威嚇している。

 イスラエル軍は5月31日にガザへ航行中の「自由船団」を公海上で襲撃し、流血の事態に世界中で非難が巻き起こった。イスラエルはこれを繰り返すことは避けたいと考えている。

 イスラエル軍報道官は、「海軍は臨戦態勢にあり」3〜4日後にガザ近海ないしエジプト沿岸へ到着すると見られる同船の針路を正確に追跡していると発表した。

 昨夜の段階で同船の最終目的地はまだはっきりしていない。ギリシャ政府は、貨物船がガザではなくエジプトのアリーシュ港へ向かうとの保証をリビアから得たと明言している。一方、カッザーフィー財団のマーシャッラー・ザウイー広報担当は、船が目的地を変更せず今なおガザへ向かっていることを強調し、「我々はガザへ向かっており、目的地は変更しない」と述べ、船が日中には「ギリシャのクレタ島付近におり、2日後にはガザ地区へ到着するだろう」と明らかにした。また、イスラエルが妨害したとしても財団は「対決や挑発」を企てているわけではないと説明した。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はFOXニュースへの談話で、イスラエルはガザへの武器流入を放置するような危険は犯さないと強調し、「我々は封鎖を尊重させようと努めている...ガザへの武器や戦闘用物資の流入を阻止するためである」と述べた。さらに、「既に民間物資を対象とする封鎖は解除した…私の政策は明確だ。武器は持ち込ませないが、それ以外の物は全て搬入を認めるということだ」と述べた。

 ネタニヤフ首相が率いる「リクード」所属のヨッシ・ペレド無任所相は、「イスラエルはこの貨物船がガザ港で直接荷揚げを行うことを許さない」と警告し、そのような前例ができればイスラエルにとって「治安の観点から非常に深刻な結果をもたらす」、何故ならガザ港を開放すれば、イスラーム抵抗運動「ハマース」の支配下にあるガザ地区に大量の武器が流入するのを許すことになり得るからだ、と述べた。

 エフード・バラク国防相は土曜夜の声明で、新たな封鎖打破の試みは「無意味な挑発」だと表現し、「我々は航海の主催者らに対して、海軍艦艇に同行して(イスラエルの)アシュドッド港に向かうか、直接(エジプトの)アリーシュ港へ向うよう勧告する」と述べた。

 カッザーフィー開発財団は、この貨物船が食糧や医薬品など人道支援物資2,000トンを積んでいると公表している。「アマル」号の船会社は、船には乗務員12人のほかにリビア人6人、ナイジェリア人、モロッコ人、アルジェリア人各1人の合計9人が乗っていると述べた。

 [5月31日の]ガザ地区支援船団攻撃に関しては、イスラエルの2つの委員会が調査を委任されている。「公設独立委員会」は外国のオブザーバー2人を含み、法的側面に関して活動している。もう一方は軍の内部委員会であり、今日調査結果を報告することになっている。

 ギュラー・アイランド予備役少将が率いる軍内部委員会の報告書の発表を前に、イスラエル海軍の高級将校が、「自由船団」に起きた流血事件を背景にエリエゼル・マロム海軍提督に辞表を提出するよう求めた。イスラエル紙『イディオット・アハロノート』電子版によると、予備役准将の地位にありこれまでにイスラエル海軍が実施する全ての作戦に関わってきたこの人物は、トルコの支援船「マーヴィー・マルマラ」号を制圧したやり方を指して「こんな形で船を制圧するものではない」と述べ、「いかなる事情があるにせよ、乗船者が多数いる船の甲板に兵士を降下させてはならない」と指摘したという。また、同船の制圧に「失敗」した責任はマロム提督にあり、「(アイランド報告書では)個人に関わる結論は出されないとしても、海軍の最高責任者は代価を支払わなければならない」との見解を述べたという。

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:19684 )