国民教育省(MEB)は、初等・中等教育の週当たりの授業時間数に関して新たに調整を行なっていたが、それにより初等教育1,2,3年生では週当たりの必須授業時間数の合計が25時間に、4,5年生では26時間に減らされた。
普通高校とアナドル高校では、現在教えられている『科学』『社会科学』『トルコ語―数学』『外国語』などの分野が削除された。
教育省は、先進各国における教育状況、教育環境や現場の意見などを元に、2010年3月15日と16日にこの件に関してワークショップを開き、初等・中等教育をうける生徒には、必修授業の負担を減らし生徒がより学校を好きになるように、夢と能力を伸ばし、授業選択を可能にする目的で、「初等・中等教育学校・授業時間表」を改正した。
初等教育管理総局と教育委員会らの合同作業の末、「小学校週授業時間表」が準備され、来年度の2010-2011年以降適用される。
新しく用意された「初等学校週授業時間表」によると、初等学校の必修授業数の週当たりの合計は1,2,3年生では25時間に、4,5年生では26時間に減らされた。
これに加えて、初等教育の1,2,3年で5時間、4,5年生では4時間の「自由活動」が行われる。
初等教育6,7,8年では選択授業の時間を加えると、週当たりの授業時間の合計が30時間になる。
授業時間の調整により、週当たりの授業時間は初等教育1-3年の国語の授業が12時間から11時間に、1-3年生の生活(理科)の授業も5時間から4時間に、4-5年生の科学と技術の授業(日本における理科)は4時間から3時間に、8年生のトルコ共和国革命の歴史とアタテュルク主義(トルコ現代歴史)の授業は3時間から2時間に減らされた。
初等教育6-8年生の体育の授業は1時間から2時間に引き上げられた。
教育省は、初等教育1~5年生では各クラスの担任が教育指導を担うのが重要とされており、さらに課外活動を『自由活動』と一緒に実施するため、『教育指導と課外活動』の授業のために割り当てられていた1時間を廃止した。
カリキュラムが作られている「愛国心と民主教育」という授業は、2010-2011教育年度では8年生の「選択」授業で、2011-2012教育年以降でも同じ学年で「必修」授業として教えられる。
初等教育4-5年生で教えられている「交通安全」授業のカリキュラムを統合し、2012-2013教育年以降は5年生でのみ週1時間で教えられる。また、4年生でこの授業がなくなったために、その1時間も「自由活動」の時間となる。
■「授業時間が多いからといって、成功するわけではない」
この件に関して説明したニメト・チュブクチュ国民教育大臣は、幸せな子供がより良く学習しているというのが、科学的実証された真実であると述べ、「私も学校を、子供たちがより楽しく過ごせる場へ変えようと努めています。新しい時間割によって、子供の年齢に応じて改正を行なったのです。子供が素質と能力を伸ばせるように活動に参加し、遊び、成績に関係のない活動をすることができるようになります」と語った。
このことが、子供たちの能力をのばすことになると同時に、また学校により多く(心身ともに)向かわせるようになり、そして生徒が学校をより愛するようになると強調したチュブクチュ大臣は、「学校は教育機関であるが、それだけでなく同時に社会生活の場なのです。この問題に関して多くの調査が行われましたが、授業時間が多いことと教育での成功との関係性が低いことは明らかです。この事実によって、生徒の年齢ごとに、週の授業時間数を来年度の実施に間に合うように、新たに調整したのです」と話した。
■いくつかの分野が廃止される
中等教育学校を担当する管理総局と部門局および教育委員会が、合同で用意した「中等教育学校週授業時間数」は2010-2011教育年以降、9,10年生から段階的にと実施される。
新しく用意された「中等教育週授業表」は、普通高校とアナドル高校、理数高校でそれぞれ別々に調整された。
これによれば、普通高校とアナドル高校で現在施されている「科学」「社会科学」「トルコ語-数学」「外国語」の分野が廃止された。
授業のグループ分けは、「共通授業」と「選択授業」として分類されている。
共通科目以外の科目は、生徒らの高等教育機関での進路と、大学入試センター(ÖSYM)の試験を考慮し、選択授業時間枠で取ることができるよう、『選択科目』枠に盛り込まれた
一方で、普通高校の体育の授業は9-12年生で2時間ずつ、美術/音楽は一時間ずつという形に落ち着いた。
10年生で3時間ある外国語授業は1時間減らされたが、11,12年生には2時間ずつ外国語授業が設けられた。保健の週授業時間数は2時間から1時間に減らされた。
選択科目授業時間数を合わせ30時間の授業時間数の合計に関しては、何らかの変化はない。
■理数高校の授業時間数増加。
アナドル高校でも行われた新調整によって、週授業時間数の合計は、予科があるアナドル高校では37時間から35時間に、予科がない高校では40時間から35時間に減らされた。
アナドル高校で、9年生で10時間ある外国語授業の時間は6時間に減らされた。以前は10年生から教え始められていた第2外国語授業が、9年生から教え始められるため、この学年でも2時間第2外国語が設けられた。
理数高校での専門分野科目は「共通授業」分野に入れられた。この高校の規則により、理数授業の比重が、授業合計の比重に対し、最低でも50%あることが必要なので、12年生で物理学、化学、生物の授業は4時間から5時間に引き上げられた。
理数高校では、9年生の外国語授業は週に8時間から7時間へと減らされた。この高校の9-12年生に、初めて週2時間として第2の外国語授業が設けられた。
理数高校の週授業時間数合計は36時間から37時間へと引き上げられた。
社会科学系高校の10年生の数学の授業が週4時間から3時間に、11-12年生での数学の授業は週5時間から3時間に減らされた。この高校の9-12年生では週2時間、さらに幾何学授業が設けられた。
社会科学高校の予科で34時間、9-12年生で40時間という週授業時間数に関しては変更が行われなかった。
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( 翻訳者:智原幸穂 )
( 記事ID:19743 )