露軍高官「ロシアにはS-300ミサイルシステムをイランに引き渡す計画はない」
2010年07月22日付 Mardomsalari 紙
ロシア連邦軍事技術協力局の副局長は、S-300ミサイル防衛システムについて触れることなく、「ロシア政府は、巨大なミサイルシステムのイランへの引渡しを自粛するつもりである」と述べた。
ILNA(イラン労働通信)がドイチェ・ヴェレを引用して伝えたところによると、アレクサンドル・フォミン氏は、ロシアは最新の国連安保理決議に従うと強調して、「巨大ミサイルシステムをイランに引き渡す計画は、我が国にはない」と述べた。
セルゲイ・ラブロフ露外相はこれより前、「ロシア政府はS-300防衛システムのイランへの引渡し問題では、国連安保理決議を遵守するつもりである」と述べていた。
一方、「ロシア・テクノロジー」社社長は先週、「S-300ミサイル防衛システムのイランへの引渡し契約は、いまだ解消されていない」と述べた。
セルゲイ・チョムゾフ氏は、S-300システムのイラン引渡し契約の今後について、質問に答えるかたちで、「この問題に関する決定は、ロシア大統領に委ねられている。今のところ、この契約は解消されていない」と述べた。
イランへのS-300システムの提供に関する契約は、西暦2005年12月に締結された。しかし、この契約が実際に実行されたとの発表は、いまだ正式にはなされていない。
ロシアの当局者たちは常に、「イランへのミサイル追尾システムの提供は、完全に国防上の側面をもつものであり、いかなる国際法にも矛盾しない」と強調してきた。
S-300対空防衛システムは、敵による上空および宇宙からの攻撃に対して、産業施設や政府機関、軍事基地、司令部などを防衛することに特化したシステムである。
このシステムは弾道を描く標的を破壊する能力をもち、また地表面にある標的にダメージを与えることもできる。S-300システムの最新モデルは、距離150キロメートル、高度27キロメートル先の敵の飛行物体を破壊することができる。
これより前、ロシアは射程距離12キロメートル、飛行高度6キロメートルの対空ミサイルシステム「TOR-M1」をイランに提供している。
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( 翻訳者:山本和代 )
( 記事ID:19755 )