イランのマヌーチェフル・モッタキー外相は昨日、EUの外交責任者との会談で、テロに対する欧米の二枚舌な対応を厳しく批判した。
ISNAによると、EUの外交責任者であるキャサリン・アシュトン氏の呼びかけで、カーブル国際会議のかたわらで行われたこの会談のなかで、マヌーチェフル・モッタキー氏は、
アブドルマーレク・リーギーをはじめとするテロリストが
一部の外国と通じていたことを認めていたことについて指摘した。
同氏はさらに、アフガニスタンにおいてジョージ・ブッシュは政策面での失敗を犯し、オバマ政権も同じ失敗を繰り返している、と指摘したうえで、「8年間のジョージ・ブッシュの政策と、現在のオバマのそれとの間に、いかなる相違もみうけられない」と明言した。
モッタキー外相はまた、イラン・イスラーム共和国は自らの立場として、核問題におけるイラン国民の合法的な権利を強調していることを指摘した。
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モッタキー氏「外国軍こそアフガニスタンにおける不安定要素」
モッタキー外相はカーブル国際会議で、外国軍のプレゼンスの増大こそ、アフガニスタン不安定化の原因に他ならないとの見方を示した。
中央報道局の報告によると、マヌーチェフル・モッタキー氏は、「テロリストどもに資金や装備を提供すれば、この地域の危険を限定化できるなどと考える者は、テロには地理的な国境はないということを知るべきだ」と述べた。
〔※モッタキー外相の発言は、アメリカが一時、対ソ連ゲリラとしてアル・カーイダなどの過激分子を支援したことや、イランと対立していたターリバーン体制を黙認したこと、さらに(イラン政府によれば)イラン南東部で活動するテロ集団を米英が支援していることを非難するもの〕
同外相はまた、イラン東部地方でのテロ攻撃の組織化のために、テロリストたちがアフガニスタンやパキスタンの領土を利用している問題を指摘し、「外国軍は〔当初〕テロや麻薬との戦いという目的をかかげて、アフガニスタンに入った。ところが現在、〔アフガニスタンでは〕危険が増大し、麻薬生産は増え、貧困が蔓延している。こうした諸問題に対して、〔アフガニスタンを攻撃した米英をはじめとする諸外国には〕説明責任がある」と付け加えた。
モッタキー氏は、「外国軍のプレゼンスによって、アフガニスタンの治安状況はかえって悪くなっており、同国での治安確保の見通しは、短い期間で得られるようには思われない」と語った。
同氏はまた、アフガニスタンにおける外国軍の作戦活動の増加は、同国の問題をさらに増やすことになっていると指摘し、「ここ9年間のアフガニスタン情勢の《病理学》〔=分析〕に着手する必要がある」と指摘した。
〔後略〕
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( 翻訳者:吉田みずき )
( 記事ID:19779 )