テレビはご近所づきあいのさまたげ?―ある夏営地での選択
2010年08月04日付 Radikal 紙
リゼのチャムルヘムシン郡シェンユヴァ村の人々は、近所づきあいを妨げるとして、サル夏営地にテレビを置いていない。
村人らは以前にも、電線が夏営地の自然景観を損ねるとして、反対署名を集めたが、電線を地中に埋めることで納得した。彼らは車を大気汚染や騒音の原因となると考え、車の乗り入れを防止するため、道路建設を夏営地から500メートル離れたところまでとした。従って彼らは自分の家に、車が通れない小道を通ってしか行かれないのだ。
シェンユヴァの村人らは、一年のうち8か月を過ごす標高の高いサル夏営地に電気が通ることで、テレビやその他の電化製品が入り込み、それがご近所づきあいの妨げになり、電線が夏営地の自然景観を損ねるとして、反対署名を集め、村に電気を引かないようチョルフ電力に訴えた。石油ランプや灯油ランプで生活してきており、この生活を続けたいと述べる村人らは、電線を地中に埋めるという条件で、電気を引くことに納得した。
電気を使い始めた村人たちは、今も近所付き合いが損なわれるのではと考え、夏営地にテレビを導入しないと決めた。150軒の家がある夏営地に、この夏やってくる約500人は、決定に従い、夏営地の家にテレビを置かなかった。ラジオの放送で毎日のニュースを聞いている村人たちは、夕方は夏営地の広場に座ってお喋りしたり、民謡を歌って、トゥルゥム(バグパイプのような楽器)に合わせて、ホロンというフォークダンスを踊ったりしている。夏営地では平屋建ての木造の家に住んでいる村人たちは、コンクリートの家や二階建ての建物も禁止している。彼らは、自然の景観を損ねないように、街灯を設置することも禁じ、村にやってくる車が大気汚染と騒音を引き起こすのを防ぐために、夏営地に通じる道を、夏営地から500メートルのところまでとした。小道を通ってしか行けない夏営地の図書館では、子供たちが暇な時間を読書して過ごしている。夏営地でテレビは一軒の民宿だけにおかれている。
■皆満足しています
シェンユヴァ村のアティッラ・ギュネリ村長は、夏営地には禁止も強制もないので、村人たちは自分たちの意志でテレビを導入していないことを明らかにした。そして、「村の人たちはまず、電気開通に反対して署名を集めました。私たちも支援しました。しかしその後、電線は地下に埋めることになると言って、説得しました。今では、かつての村の生活を続けたいので、夏営地へテレビを導入しませんでした。夏営地では皆とても満足しています。都市にいるみたいにテレビ中心の時間を過ごしたりしません。古き良き生活を送れるのです。これは別に禁止して行ったものではないのです。皆自身の意志でこうしています。これこそがあるべき姿なのです。私たちは広場に集まって、昔を思い出し、昔の知恵を持っている人は、それを皆と分け合っています」と語った。村にやってくる人たちは夏営地には電気がないかのように感じていると語るギュネリ氏は、「私たちは自分たちの夏営地をよく守っています。景観が損なわれないようにと街灯さえ設置しませんでした。私たちはモデルとなるような生活を送っているのです。天気が良ければ、夏営地で広場に行き、ホロンを遊んだり、お喋りしたり、夕日を眺めています。天気が悪ければ、人の家に集まり、また違う日には違うお宅に集まります。このような生活を送っています」と話した。
夏営地住人の一人であるスレイマン・アタマンさん(71歳)は、「夏営地にはテレビはなく、私たちは使っていません。集まってお喋りしたり、家に閉じこもらないようにするためにテレビを夏営地に入れませんでした。電線は地下に通し、車が通る道路も作りませんでした。夏営地の自然景観と近所づきあいのどちらも私たちは守っているのです」と話した。ウムムギュル・アタメル氏は「とても快適な生活がありますよ。外に出て自然を眺め、外出して散歩しています。私たちは都市でテレビに囲まれた中からここに来ました。ここでテレビをどうしようというんでしょう」と語った。他の夏営地住人も、テレビがある場所では人は閉じこもり、外出せず、お互いに話もしないようになると述べ、テレビを入れないという決定はいいものだと語った。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:智原幸穂 )
( 記事ID:19862 )