デヴシルメ・スポーツ選手の勝利は「トルコの勝利」か?
2010年08月07日付 Milliyet 紙
ほとんどすべての国のナショナルチームには、外国出身のスポーツ選手がいる。タイムズ紙がこれを議論し始めた。彼らが表彰台に上がったとき、国歌が斉唱され国旗が掲揚される。これは本当に国の勝利であると言えるだろうか?
世界的に、もはや国際試合で獲得されるメダルの多くが、外国出身のスポーツ選手によりもたらされていることがイギリスで議論を起こした。タイムズ紙はイギリスのクリケットチームの多数の選手が他の国から来たことを取り上げ、「この人々が表彰台に上がったとき、国歌が歌われ国旗が掲揚される。では、これは本当に国の勝利と言えるだろうか?」と問うた。この議論は、トルコ国民となった外国出身の代表選手に注意が向けられることのきっかけとなった。
◆すべての国であることだ
そもそも外国人スポーツ選手を「輸入」することは目新しいことではない。トルコがブルガリアから100万ドルで獲得したナイム・スレイマンオールの勝利はいまだに人々の口の端に上る。アメリカは1992年以降、50人のオリンピックメダリストを集め、彼らのうち8人は国に金メダルをもたらした。カタールは1999年以降、ブルガリアウェイトリフティング協会に、8人の選手のため100万ドル以上の金を支払った。中国人のいない卓球チームなど世界にほとんどないだろう。
◆「本当に国を代表するものか?」
これらの人々はたいていの場合、より良い生活を望んで、トルコ、イギリス、アメリカ、カタールなどの国々へ帰化する。彼らはパスポートを換える代わりに巨額の金を稼ぎ、その上優勝を目指してより良く調整する。しかし、スポーツ分野における国の勝利は、今や国のアイデンティティの優越性を示す最も良い方法とみなされている。タイムズ紙は、「こうした状況において、個人的、経済的利益のために表彰台へ上った人々が本当に我々の国家的アイデンティティの優越性を示していると我々は主張できるだろうか」と述べている。
◆「彼らはお金で騙している」
メダルの裏側には、これらのスポーツ選手の味わったことがある。特に陸上競技において、多くの選手を輸出するケニアの陸上連盟のイサイア・キプラガト会長は、「トレーナーたちがやって来て、有望な子供たちを品定めしています。子供たちはまだ15歳です、自分の利益を主張できないでしょう、彼らは貧しい子供たちをお金で騙して帰化させているのです。これは搾取であり、隷従です」と述べた。スペイン陸上連盟のホセ・マリア・オドリオゾラ会長も次のように話した:
「特に中東諸国は、ケニアや他のアフリカ諸国から物を買うように選手を獲得しています。問題は、選手がほとんど稼げないということです。実際は彼らのマネージャーがお金を得ているのです。オリンピック委員会がデヴシルメ・スポーツ選手の過度の採用を防ぐために規則を厳しくしてから、スポーツ選手がまだ若年のうちに帰化させる必要が出てきました」。
◆トルコのスターたち
陸上競技
エルヴァン・アベイレゲッセ:オリンピック(2回出場)第2位、世界陸上第2位、ヨーロッパ選手権第2位(エチオピア)
アレミトゥ・ベケレ:ヨーロッパ選手権優勝、ヨーロッパ室内陸上大会優勝(エチオピア)
セリム・バイラク:ヨーロッパカップ第1位、地中海大会優勝(エチオピア)
スベトラーナ・スダク:地中海大会第5位(ベラルーシ)
メリス・メイ:世界大会第3位、地中海大会第3位(エチオピア)
テゼテ・ダンゲルサ:ヨーロッパ室内陸上大会第2位(エチオピア)
メルヤム・エルドアン、スルタン・ハイダル(ともに入賞記録なし、エチオピア)
エブル・カヴァクルオール、オクサナ・メルト(ともに入賞記録なし、ロシア)
ウェイトリフティング
ナイム・スレイマンオール:オリンピック(3回出場)、世界選手権(8回出場)、ヨーロッパ選手権(11回出場)優勝(ブルガリア移民)
ハリル・ムトゥル:オリンピック(3回出場)、世界選手権(3回出場)、ヨーロッパ選手権(7回出場)優勝(ブルガリア移民)
タネル・サウル:オリンピック、世界選手権、ヨーロッパ選手権優勝(ブルガリア移民)
スナイ・ブルトゥ:世界選手権第2位、ヨーロッパ選手権優勝(ブルガリア移民)
フェダイル・ギュレル:世界選手権、ヨーロッパ選手権優勝(ブルガリア移民)
レイハン・アラバジュオール:ヨーロッパ選手権優勝(ブルガリア移民)
ハーフズ・スレイマンオール:世界選手権、ヨーロッパ選手権優勝(アゼルバイジャン)
柔道
ヒュセイン・オズカン:オリンピック優勝、世界選手権第2位、ヨーロッパ選手権第2位(チェチェン)
セリム・タタルオール:ヨーロッパ選手権優勝(チェチェン)
ウラクリ・ウズナゼ:ヨーロッパ選手権第3位(チェチェン)
サッカー
アウレリオ:ナショナルチームA(ブラジル)
コリン・カジム:ナショナルチームA(イギリス)
バドミントン
エミネ・リー、レジェプ・チョウ(中国)
水泳
セルカン・アタサイ、デミル・アタソイ、デニズ・ナザル(ウクライナ)
レスリング
ラマザン・シャーヒン:オリンピック、世界選手権、ヨーロッパ選手権優勝(ダゲスタン)
アリ・カヤル:オリンピック第3位、世界選手権2位
レムズィ・ムーサオール:ヨーロッパ選手権優勝(ブルガリア移民)
ベフチェト・セリムオール:地中海大会第1位(ブルガリア移民)
エフライム・カムベルオール:ヨーロッパ選手権第3位(ブルガリア移民)
イルヤス・シュクリュオール(ヨーロッパ選手権第2位(ブルガリア移民)
ゼケリヤ・ギュチリュ:世界選手権、ヨーロッパ選手権優勝(ブルガリア移民)
ボクシング
ラマザン・パルヤニ:世界選手権、ヨーロッパ選手権優勝(グルジア)
アガスィ・アガギュルオール:世界選手権第2位、ヨーロッパ選手権優勝(グルジア)
セリム・パルヤニ:世界選手権第3位(グルジア)
ヌルハン・スレイマンオール:世界選手権第2位、ヨーロッパ選手権優勝(カザフスタン)
アーチェリー
ナタリー・ナザリゼ:世界選手権第3位、ヨーロッパ選手権優勝、オリンピック第4位(グルジア)
バレーボール
ナタリア・ハニクオール:ヨーロッパ選手権第3位(ロシア)
卓球
メレキ・フー、シリン・ヘ、ボラ・ワン:ともに勝利実績なし
ジェム・ツォン、ペンフェイ・ジァン、アフメト・リー(中国)
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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:19881 )