ラマザン間近、16時間の断食ではここに注意
2010年08月08日付 Milliyet 紙


今年ちょうど8月にあたるラマザンは、断食時間が長く、灼熱の夏の暑さのため、特別困難である。専門家は水分をたくさん取ることを勧め、「夜明け前の食事を欠かさないで下さい」と言い、特に心臓病患者は、断食をしないようにしなければならないとしている。

ラマザン最初の断食は、8月11日水曜日に当たる。専門家は、今年のラマザンがちょうど8月に当たるため、断食時間が長いこと、そして灼熱の暑さという点で、警告している。専門家は、特に働いている人々は注意すること、夜明け前の食事を欠かさないようにすること、そして水分を沢山取るようにすることが必要だとし、心臓病患者は断食をしないようにしなければならないと強調している。
イスタンブル大学ジェルラフパシャ医学部内科細菌学専攻のメティン・ジャネル教授は、今年は16時間ほどにもなる断食時間が、心臓病患者をはじめとして、腎臓、糖尿病、ぜんそくといった慢性疾患をもつ人々にとって深刻なリスクをもつと述べた。ジャネル教授は、喫煙者と家族に心臓病の患者がいる人も、潜在的な心臓病であると言い、これらの人々も断食をすることは避けた方が良いであろうと述べた。

■突然死増加の可能性

ジャネル教授は、来週にも始まるラマザン月には突然死が増える可能性があることを示唆し、「これほど長時間、水分を取らずにいることは、心臓と身体、代謝作用に大変悪い影響を及ぼす」と言う。
ジャネル教授は、長時間の断食は重労働についている人々にリスクを与えるとし、以下のように続けた。「重い肉体労働に就いている人々は、たくさん汗をかきます。この人が断食をすれば、(体調が)突然悪化する可能性があります。心臓発作を起こすかもしれません、ショックを起こすかもしれません、倒れるかもしれません。若く、健康に問題のない、空調の利いた環境にいる人々は、楽な状況で(断食が)できます。これは、もちろん個人の選択にゆだねられる事柄です。信仰がもたらす心理的な安心感もあります。これも人々に良い影響を与えるでしょう。しかし、断食をしてはならない人々、治療を受けている、あるいは潜在的な心臓病の人々、重労働をしている人々…、16時間太陽の下で働く人は、昏睡状態に陥り、死亡する可能性があります。」

■夜明け前の食事は絶対に欠かさないように

アメリカ病院栄養食物部門責任者のアイシェ・コルクマズ氏は、今年については、暑く、長くなることが予想される断食の前に、夜明け前の食事を絶対に欠かさないことが必要であるとし、以下のように述べている。「夜明け前の食事を、水を飲むだけで済ますこと、あるいは夜寝る前に食事をとることは非常に有害であることを忘れてはなりません。なぜなら、この食事スタイルでは、約12時間の空腹時間が、平均18時間になるからです。空腹は、血糖値がより早い時間帯に下がること、そしてこれに関連して一日が非生産的に過ぎることの原因になります。」
コルクマズ氏は、夜明け前の食事では、重い食べ物は避けるべきであるとし、(食事に)選ばれるべき食べ物を以下の通り列挙している。
「軽い朝食にするか、あるいはスープ、油を控えて調理した野菜とオリーブオイルを使った食べ物からなる食事スタイルが選ばれるべきです。この間、日中はたくさんの水分が失われるため、水分バランスを調整することも非常に重要です。」
コルクマズ氏は、長く、暑い断食期間の後、断食明けの食事でも注意しなければならないと言い、以下のように続けている。「一日の初めの食事である断食明けの食事は、スープから始めなければなりません。そして少し間をおいてから食事を始めなければなりません。断食明けの食事には、チーズ、オリーブといったシンプルな食べ物で始め、少したったあとに普通の食事に移るのがより正しいあり方です。初めに口にするものとして、満腹感を与えるスープは最も適した食べ物です。」

■仕事での事故に注意

トルコ美容整形外科協会指導部のムラト・トパラン教授は、ラマザン月には仕事の事故に関連する身体器官の損傷が増える可能性があることを明らかにした。トパラン氏は、「働いていて断食をしている人々は、夜明け前の食事をとるために起きて、きちんとした栄養とたくさんの水分をとることが必要です。この暑い月における長時間の空腹と水分不足が、注意力を散漫にさせる可能性があることを覚えておかなければなりません。」

■最も長いのは初日

ラマザンの初めの断食は、8月11日にあたる。初日の断食期間は、イスタンブルで15時間57分、アンカラで15時間50分、イズミルで15時間40分となる。初日以降、断食期間は短くなる。ラマザン最終日では、イスタンブルで断食間は14時間25分、アンカラで14時間32分、イズミルで14時間55分となる。

■ハサン・インセル医師から暑さ克服のためのガイド

-一日に2~3リットルの水をとること。
-暑い気候が人の健康に与える影響は?
最も重要なのは、暑い気候が水と塩分不足の原因となるということです。この不足は解消されないと、人体に大変有害です。湿度の上昇も大変有害です。なぜなら、呼吸するのを難しくするからです。考えられているのとは反対に、湿度は朝と夜がより高いのです。湿度は、特に心臓病、高血圧といった慢性疾患をもつ人々を圧迫し、身体を丘を登るような状態にさせます。水分の不足は心臓病の人々にとって最も危険です。なぜなら血液の流れを滞らせるからです。このために、一日に2~3リットルの水をとらなければなりません。喉が渇く前に水を飲むことが最も良いことです。暑い中、スポーツをすることも大変危険です。ビーチで走ること、あるいはバレーボールをすることは、心臓と肺に余計な負担をかけます。湿度が高くなるほど状況は重くなります。心臓と血管の病気をもつ人々にとって、熱中症の原因となり得ます。熱が高くなったら、すぐに病院に行くべきです。

■夏の初め毎にエアコンを掃除してください

-エアコンと(エアコンの)ファンは健康にどう影響するのか?
掃除をしていないエアコンの中にいる細菌は肺病の原因になります。もし(身体の)上に汗を吸う服、あるいは肌着を着ていなければ、直接身体に吹き付けるエアコンは、我々が「凝る」というところの筋肉の緊張の原因になります。車のエアコンはとても軽視されています。夏の初め毎に(ほこり用の)フィルターを交換することが必要です。

■子供だからといってサングラスなしで外出させないでください

-外出の際の服装は?
もちろん薄着をすることが必要ですが、帽子をかぶることがとても重要です。きつく、高いヒールの靴は感染症の原因になり、足の健康にとって危険です。11時から15時の間は絶対に日光浴をしてはいけません。SPFが高くても、日焼け止めは少なくとも2時間で塗りなおすべきです。一方で、子供たちの目は重要ではないかのように、眼鏡(サングラス)をかけさせることはあまりありません。しかし、彼らの目はより敏感なのです。

■スイカを食べて水分の喪失を少なく

-猛暑の際の食事はどうあるべき?
野菜、穀物、そして果物がたくさんの食事が理想的です。動物性油脂は避けなければなりません。なぜなら、血を濃くするからです。地中海風の食事をお勧めします。全ての旬の果物と野菜は、体がその時期に必要なものを与えてくれます。例えばスイカは、水分の喪失に有効で、血をうすくするのです。

■老人はよりたくさんのリスクが

-子供達と老人たちのために取らなければならない特別な行動とは?
もちろんです。なぜならこれらの人々は最もリスクが高いからです。子供達の身体はもともと熱く、大人のように汗をかけません。楽に水を飲むこともできず、(大人が)しつこく飲ませることが必要です。子供と老人の身体は、体温の調整機能が十分に発達してはいません。特に老人は、暑さから最も大きなダメージを受けます。彼らには多くの注意を向けなければなりません。

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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:19887 )