米裁判所、「アルメニア問題」でトルコ側要求を却下
2010年08月14日付 Milliyet 紙

アメリカで、アルメニア人虐殺に関する授業において、虐殺の存在を疑問視する見解も紹介するべきとする要求が却下された。

アメリカで、学生が真実を公平な立場から学ぶために、アルメニア人虐殺に関する授業では虐殺の存在を疑問視する見解も紹介すべきだという要求が却下された。裁判所はトルコ側の資料を(学生に)読ませることを認めなかった。

アメリカの控訴裁判所で、トルコ・アメリカ協会連合(ATAA)は、マサチューセッツ州の学習指導要領の中に、アルメニア人虐殺の存在を疑問視する見解を盛り込んで欲しいと要求していたが、拒否された。米マサチューセッツ州にある控訴裁判所は、州における公立学校のカリキュラムに、1915年の事件に関するトルコ側の見解が載せられていないことは、憲法に違反しないとの趣旨の判決を下した。

この問題については、すでに下級裁判所がアルメニア人の主張を正当とする判決を出しており、今回も裁判所はその判決を支持した。今回の判決文では「学習指導要領は、図書館の本というよりもむしろ、カリキュラムの一部を構成するパンフレットである。よって1915年の事件に関しアルメニア人の主張に反対する見解をカリキュラムに掲載しない事は、学生の表現の自由を侵害するものではない」という主張がなされている。ATAAギュナイ・エヴィンチ理事長は、控訴裁判所は、アルメニア系アメリカ人の活動家たちに有利な判決を出したが、ATAAは抗議を続けていくと語った。

エヴィンチ理事長は、ATAAはトルコとアルメニアの両社会間で歴史が正しく、開かれた形で評価されることを基本とする両者の和解を望んでいるとし、「こうした理由から、州政府によってとられたトルコを敵対視する姿勢、この根本的で、偏見に満ちた、一方的な姿勢に対し、我々は抗議を続けていきます」と語った。ATAAは1915年の事件に関し、トルコ側の見解を含んだ教育カリキュラムが検閲されているとして、マサチューセッツ州で訴えを起こし、昨年地方裁判所で下された判決を不服として控訴していた。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:19941 )