スレイマニエ・モスク、創建454年で最大の補修工事
2010年08月19日付 Radikal 紙


ミーマール・スィナン自身が「親方時代の作品」と称したスレイマニエ・モスクで、創建454年の今年、最大規模の補修工事が行われている。

ミーマール・スィナン自身が「親方時代の作品」とと称し、世界中の建築で最も優れた作品の一つであるスレイマニエ・モスクがその454年の歴史で最大規模の補修工事を行っている。工事は年末に終了予定。

ローマ、ビザンツ、オスマン各帝国の文化遺産を誇るイスタンブルが2010年欧州文化首都になる準備の一環として、第一ワクフ支局が2007 年に始めたスレイマニエ・モスクの補修工事が続いている。ギュル・ヤプ建設により始まった補修は、今年7月10日には終了する予定だった。しかし補修中、緊急かつ調査を要する状態にあることがわかり、工事は終わらなかった。ワクフ支局の関係者らは、モスクでは大規模な工事が続いており、迅速かつ適切な補修が肝心であるとして、イスタンブルが欧州文化首都である今年中に補修を終わらせ、礼拝用にモスクを開放することを目指すと述べた。

■ どんなことが行われたか

第一ワクフ支局の情報によると、最後にスレイマニエ・モスクの大規模工事をしたのは約50年前のことである。それ以降、モスクを使う人々や協会関係者らにより行われた、モスク維持のための小規模な補修を除き、改修はされなかった。周辺環境、間違った材料の使用、各時代ばらばらの材料の使用でマイナスの影響が生まれた。

補修活動の一環として、モスクのポーチ付きの中庭や、尖塔、外庭の壁の掃除を行った。以前の補修の際にセメントを用いて作った模造品は撤去され、代わりに、元の状態になるように砂石を用いて外観の整備を行った。

ポーチ付きの中庭とモスクのドームで行われた調査で、先代の作業が見つかった。モスクの、セメントにやすりをかけ除いた箇所にはホラサーンの漆喰が適用された。セメントを除く作業の間、モスクの主軸で454年前に施されたイズニック・タイルが発見された。また作業では、ペンデンティブで見つかった古典時代の手作業の修正、保護、不具合の除去に向けた芸術史家らの活動が続いている。

■ 大柱にもタイルが

スレイマニエ・モスクの高さ53メートルの地点には、直径26,5メートルの大ドームを支える4本の大柱がある。これらを補修する際、偶然にも何百年前のものとみられるタイルが発見された。

陶器模様の保護に向けた技術報告が出され、活動が始まった。大ドームの木製環帯を強化し、金箔は新しくした。モスク内部にある銘版は、専門家が調査して報告し、補修した。モスクの全入口のドア部分で、不足しているムカルナス(鐘乳状装飾)が作られ始めた。

■ イスタンブルのシルエットも補正

スレイマニエ・モスクの、「乾燥マメの料理店」として親しまれている並びの側にある、3つのバルコニーをもつ尖塔の屋根は、モスク維持協会が間違った材料で補修したので傾いてしまった。

補修中、木製の尖頂が撤去され、代わりに、特別な割合で特別な材料を用いて新たに尖頂が造られた。そのあと尖頂は鉛でコーティングされ、尖塔に接着された。こうしてミナレットの尖頂の傾斜は解消し、イスタンブルのシルエットも補正される結果になった。この間、二本の尖塔の、年内に壊れそうな4本の砂石製の手すりも補修された。尖塔の銅製の飾りは、降ろして清掃と補修を行ったあと、金メッキを塗り、元の場所に飾った。

■ 幾何学模様部分は補修した

ポーチ付きの中庭で見つかった大理石の飾りの欠落部分は、元の構造にふさわしい形で復元された。ポーチ付き中庭のドーム、尖塔、ひさし表面部分では、鉛の付け替えが完了した。

モスクの中にある全ての幾何学模様の戸と、モスク正門の装飾された幾何学模様の合わせ扉は細心の注意を払って取り外された。害虫対策の薬を投じ、補修した。モスク地上階の窓のニッチの、時が経って薄れてきた大理石のモザイクの復元と、(支配者や説教師のための)上部階の幾何学模様の合わせ扉の制作が始まった。大ドームには基盤強化が行われた。

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( 翻訳者:木村納菜 )
( 記事ID:19992 )