公務員試験問題漏洩疑惑ふくらむ―満点獲得者の20人は一つの家から
2010年08月21日付 Radikal 紙
ラディカル紙は300人を超える受験生が120問中120問正解した公務員試験(KPSS)の満点獲得者らを調査した。満点獲得者らのうち少なくとも20人が、同じ家で暮らす夫婦、兄弟、友達同士であったことが判明した。
国家公務員を目指す80万人の受験生が汗水を流した公務員試験(KPSS)において、問題もしくは答えが漏洩したのではないかとの疑惑が「ふくらんでいる」。本紙は7月10、11日に行われた試験の満点獲得者らを調査した。本紙が公式な資料に基づいて行った調査によれば、「公務員試験の満点獲得者(120問中110問以上正解した者)」のうち、少なくとも20人が、同じ家で暮らしていた夫婦、兄弟、ルームメイトである。
昨年は公務員試験で満点を獲得した者はいなかった。今年は同じ試験で300人を超える受験生が120問中120問正解したこと、この受験生らの一部が同じ家で生活していたこと、「難しかった」と言われた試験での平均正答数が61だったことにより、「答えのキーワードが一部の家に供給でもされたのか」という疑いが持ちあがった。
同じ家からこれほどの満点獲得者が出ることは偶然には起こり得ないと主張する不利益を被った受験生らは、「身分証明書の番号と結果の書類をインターネット上で長々と公表されている満点獲得者たちはなぜ声を発しないのか、なぜ逃げるのか。彼らが黙っていることで、我々の主張は信憑性を増しています」と述べている。
■ 満点を獲得したルームメイトたち
本紙の調査によれば、同じ住所で暮らしていた少なくとも10組の夫婦、兄弟、親戚が試験で満点を獲得した。イズミルのN.BとH.B、サカルヤの L.Ç とS.Ç、カイセリのR.Y とZ.Y、アンカラのN.SとA.S 、マラトゥヤのE.Ö とA.Ö 、R.N とB.K、アンカラのH.A とS.A 、カフラマンマラシュのB.G とİ.G 、アフィヨンカラヒサルのS.Aと H.A 、イズミルのM.SとM.Sの試験での成績は同じである。
2人暮らしで同じ家で暮らしていたことが確認されている受験生らの一部は夫婦、一部は兄弟、一部は友人であることが明らかにされている。名前が挙がっている受験生の一部は全問正解し、一部は1,2問ずつ間違えているのがわかる。
公的な情報によれば、アンカラのN.Sと A.S、マラトゥヤの R.Yと Z.Y、イズミルのH.BとN.B、サカルヤの L.ÇとS.Ç、マラトゥヤのR.N とB.K が教育学の試験で120問中120問正解した。2人暮らしであるこの受験生らの住所も点数同様同じである。
アンカラのH.Aと S.Aの2人も119個正解し、たった1問間違えた。教育学で117問正解した E.Ö とマラトゥヤで同じ家に住んでいるA.Ö は、同じ試験で111問正解したことが分かっている。イズミルのM.Sと M.S の夫婦も順に113問と116問正解したことが分かっている。
夫婦に加えて、同じ家に住んでいる兄弟の成績も注目を集めている。結果の書類によれば、アフィヨンカラヒサルで同じ家に住んでいるS.A とH.A が二人とも、一般能力試験において56問正解したことが分かっている。一般文化問題では、受験者のうちS.A が46問、H.Aが47問正解した。S.Aは、教育学の試験でも120問中120問正解したことが分かっている。彼らに加え、一部の満点獲得者が同じ市内でそれぞれ近い地区で暮らしていることも分かっている。
教育者や一部の政党の議員らは、同じ家から「満点」が出ることは、「問題が事前に入手されていた」という主張を証明しているようなものだと述べている。大学入試センター(ÖSYM)長のウナル・ヤルマアン氏がこれほど多くの「夫婦」が同時に満点をとったことに対しどのような説明をするのかが注目を浴びている。
■ 「これが証拠ではなく何なのか」
公務員試験の結果に不満のある不利益を被った受験生らは、ネット上で同じ試験で満点や高得点を獲得した受験生の結果をお互いにまた関係者らに通知しようと努めている。受験生らが本紙に送ったEメールの内容は次のようなものだ。
「こうした人々のトルコ共和国の身分証明の番号は長々とインターネット上に掲載されているが、彼らは声をあげない。3組の夫婦が教育学の試験ですべての問いに一つも間違えず正しく答えたのがはっきりとした証拠でなく何だというのでしょう。我々の訴えに答えてください、そして我々の声を伝えてください、我々は未来の教師です、子どもたちを教育する教師が泥棒であることに見て見ぬふりをしないでください」。
■ チュブクチュ:教師の任命は延期できない
公務員試験を受けた一部の教員志望の受験生は、教師の任命が調査の結果が出るまで中止されるよう望んだ。しかし、国民教育相のニメト・チュブクチュ大臣は、教師の必要性を理由に、延期が不可能であると明らかにした。チュブクチュ大臣は、「学期が始まる前、8月31日にこの任命を行うだろう。なぜなら、教師の必要性があるのだ。大学入試センターの調査も長引く恐れがある、それを待つことはできない。大学入試センターが、この調査の後問題の人々の試験を取り消す決定をするのなら、我々もその結果を踏襲する」とコメントした。
■ 組合:教師の任命は延期されるべき
トルコ教職員組合は、公務員試験の問題または答えが漏洩したとの主張に関して公式に対処を始めた。トルコ教職員組合のイスマイル・コンジュク委員長は、8月23日の月曜日に、共和国検事局に告発すること、国民教育省にも教員任命が調査の結果が出るまで延期されるよう正式に申請すると述べた。大統領府、首相府、トルコ大国民議会(TBMM)、高等教育機構(YÖK)にもそれぞれ公式書類と共に事件の調査を申し込むと述べた労働組合のコンジュク委員長は、「これほど重要なことについて関係者はなぜ黙っているのか、理解できない」と話した。
■ 「満点獲得者はなぜ黙っているのか」
教職員組合のズベイデ・クルチュ委員長は有識者から成る委員会を設立したこと、300を超える受験生が120問中120問正解した教育学の試験を詳しく調査すると述べている。疑惑の主張に慎重に触れたクルチュ氏は、「満点獲得者が全く口を開かないこと、自己弁護しないことはおかしなことだと受け止めています。残念ながら、彼らが無言のままでいればいるほど私たちの疑いは膨らむばかりです」とコメントした。
クルチュ氏は、調査をできるだけ早く終わらせるために大学入試センターにずっと電話していたとし、「証拠を探っています。もし法に反することや不正行為が発見されれば、教師の任命は絶対に凍結される必要がある」と述べた。本紙に届いた1通のEメールには「もし試験を受け、カンニングをしたと主張されたら、そして共和国の番号が公表されたら、インターネットを通じて抗議しないだろうか。私なら裁判を起こすだろう、しかし彼らは声を発しないし、逃げている。これは証拠ではないだろうか」と述べられていた。
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( 翻訳者:小松裕美子 )
( 記事ID:20003 )