外国人留学生、悲鳴―諸大学、外国人留学生の学費値上げ
2010年08月26日付 Zaman 紙


国外からのトルコへの留学生の門戸開放を望んでいる高等教育機構(YÖK)は、今年初めに外国籍学生大学入試試験を廃止した。

学生の受け入れ条件を各大学の主導に任せることとなった。しかしこの新しい決定をチャンスとばかりに大学側は、外国人留学生の学費をトルコ人学生の5~10倍に引き上げた。いくつかの大学が発表した学費はヨーロッパの大学の学費をも上回っている。

学費はアナトリアの新設大学で約800リラ(約44,000円)であるのに対し、大都市の大学ではその数字は相当高くなっている。イスタンブル、アンカラ、イズミルでは学費は1万リラ(約55万円)から3万リラ(165万円)の間である。バトマン大学で1000リラ(約55,000円)かかる工学部が、ガーズィ大学では1万6000リラ(約88万円)まで高騰している。法外な学費は特に中央アジア、アフリカ、中東からの留学生に絶望感を与えている。

外国人留学生の学費に対し行われた厳しい値上げは、第8代大統領トゥルグト・オザルにより開始された学生プロジェクトに矛盾している。なぜならトルコは、政策として国外からの留学生をただの客として見ているわけではない。この地でトルコ文化を吸収した若者が、自国へそれぞれが文化大使として帰国していくのを目標としているのだ。第9代大統領スレイマン・デミレルの時代にも、学生プロジェクトは大いに重視された。その名も「学生大プロジェクト」と変更された。

教育キャンペーン政策は第11代大統領アブドゥッラー・ギュルの時代に頂点に達した。高等教育機構の決定により2010年1月21日に外国籍学生大学入試試験が廃止された。こうして外国人留学生は目の前にある最大の難関から解放された。2011年以降、外国人留学生は外国籍学生大学入試試験を受けることなくトルコで好きな大学へ願書を提出し、教育を受けることができる。しかし明らかにされた2010-2011年度分の学費は、何年もの間綿密に進められてきたこの政策へ打撃を与えかねない。高等教育機構により発表された2010-2011年度の外国人留学生の学費は3万リラにまで高騰している。来年度以降は外国人留学生の受け入れ条件と学費を各大学で決定することができるようになる。国外の教育専門家は、この状況により各大学は好きなように学費を決定してしまう恐れがあると警告している。

専門家らは、中央アジア、アフリカ、バルカン諸国、南北太平洋諸国からやってくる、ほとんどが収入の少ない留学生らは、この額を支払うことができないと指摘しており、「もし学費が適当なレベルまで下がらなければ、この留学生らは周辺諸国に取られてしまう恐れがある」と述べている。特に中央・東ヨーロッパ諸国は、学生を呼び込むため、学費に関しても競争力を高めている。またロシア、インド、イランもトルコが注目している留学生に目を付けている状況だ。オーストリア、ハンガリーといった国々の大学の学費は5000~6000リラ(約27万5千円~33万円)から始まっている。これは学生を惹きつけるため一歩を踏み出したトルコにとって不利な状況である。

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:20025 )