新徴兵制案、骨子固まる―兵役90日制へ
2010年08月28日付 Milliyet 紙

新徴兵制の下で、すべての対象者に同等期間での兵役が課されることになる。全ての兵士は、45日間の武器訓練を実施する。

本日付で参謀総長に就任した陸軍総司令官のウシュク・コシャネル将軍が再度取り上げた徴兵制度の詳細が、少しずつ明らかになっている。サヴァ紙により、兵役義務を一律で9ヶ月間に簡略化するという規定改正が図られているのがわかった。この新しい徴兵制が実施されれば、四年制の大学卒業者と、大卒でない者が共に同じ期間兵役義務に就くことになる。

短期兵役システムを棚上げする形となる今回の新しいシステムの下では、全ての対象者が同等期間、兵役義務を受ける。一昨日、エルダル・ジェイランオール司令官に任務を引き継いだコシャネル参謀総長は、引継式典において行ったスピーチで、一刻も早く徴兵制の刷新を図る意志を明らかにすると共に、「兵役は、その対象者全てにとって同じ条件で行われ、また、教育のある人間がもっと長い期間、効率の良い形で我々の下でその力を発揮できるような機会を作ることが重要であると考えております」と語った。

■45日間の武器訓練

新たな徴兵制では、教育システムで一部改正が行われる。対テロ防衛作戦が重要となる地域で任務に当たる兵士と下士官が訓練不十分との批判を重く見たトルコ国軍は、徴兵制の改正に当たって、兵士たちに武器訓練を実施する予定である。入隊後、全ての兵士に45日間にわたり、武器に関しての教育を行う。

2年前から準備の行われてきたこの新たな徴兵制は、最終案作成後に、法案として国会へ提出される予定である。この改正法案では、9ヶ月の兵役の中でどの程度、訓練期間と実地配属期間の時間を充てるかということについても、配属先の司令官と部隊の判断によっては変更点が出る可能性がある。それぞれの期間についての最終判断は各軍が下す。計画によれば、訓練期間は20-30日間になる予定。(兵士による)宣誓を経て、第二期間へと移行する。この期間においても、45日間のプログラムが実施される予定である。この中で、兵士たちは武器取り扱いに関する特別講習を受講することになる。この期間が終了する頃には、兵士たちがそれぞれの部隊に配属される予定となっている。

■予備士官が過去のものに

新たな改正法案において、トルコ国軍の意向に従って、四年制の大学卒業者の間から選出されてきた予備士官の期間も終了することになる。12ヶ月の間、小隊指揮官として任務を行っている予備士官たちも、一般兵卒の身分で兵役義務を果たすことになる。また、今後小隊指揮官は、職業軍人として契約を行っている士官が着任することになる。

金銭支払いによる兵役(期間短縮)を行わないことについて、トルコ国軍は兵員不足を理由として挙げ、これも今回の改正によって解消されることになる。バシュブー前参謀総長は、2009年の4月29日に開催した第二回の情報会議で、2008年の兵士のニーズに対し、65.49%しか満たしていないことを明らかしていた。この問題を解決するために、金銭支払いによる兵役実施の有無についての論争が再び行われることも想像に難くない。トルコでは 400万人もの人々がこうした兵役を期待しているとのデータもある。

■5つの異なる兵役のタイプ

現在、兵役の対象となる年齢の人々は、短期、予備士官、長期の兵役のいずれかを選ぶ。これにより、通常(最終学歴が)初等または中等教育修了者の場合15ヶ月の兵役義務が生じる。大卒者は、兵役がこれより6ヶ月短く、あるいは予備士官として12ヶ月間任務に就くことも可能である。海外生活者の場合、有料で28日間の特別プログラムを受講し、兵役の代わりとすることが可能である。議論となっている金銭支払いによる兵役実施に関しても、一定の金額を支払った人々が28日間の特別教育を受ける。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:沓澤実紗子 )
( 記事ID:20041 )